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ノーベル賞まで取った悪魔の手術
まさかインターネットに「悪魔」という単語を書き込む日が来るとは・・・ローソンのおにぎりが可愛く見えるくらい、悪魔としか言えない手術がもてはやされていた時代がありました。もてはやされた結果、ノーベル賞まで取っています。
その手術の名前は、ロボトミー手術と言います。
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ロボトミー手術とは、脳の前頭葉を外科的に取り除く、すなわち生きたまま脳味噌を切除する手術のことです。何が恐ろしいかといえば、前頭葉という箇所を切り落とすことにあります。あなたの人格を司る脳の部分、それが前頭葉です。ロボトミー手術が広まった背景には、前頭葉がそんなに大事だと明確に分かっていなかったこともあります。それ以上に、第一次世界大戦が関係しています。
我々はピンとこないでしょうが、主戦場となったヨーロッパでの犠牲者はものすごい数だったそうです。それに伴って、ヨーロッパではPTSD(命の危険がある出来事によって一か月以上の精神的苦痛・生活機能障害を引き起こす病気)等、入院が必要な精神の病になる人たちが増えに増えていました。その結果、医療が崩壊しそうになっていました。
精神病の患者の治療としてロボトミー手術が用いられ、「ロボトミー手術を用いたことによる業績」に対してノーベル賞が贈られました。副作用じたいは確認されてはいました。しかし、それ以上に作用の方が大きかったこと、代替になりうる治療法が確立されていなかったこともあり、ロボトミー手術は日本でも約20年間にかけて行われていました。
ロボトミー手術を受けることは、あなたがあなたらしくなくなることを意味しています。今では全く行われていないそうなのでご安心ください。
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僕は自分が自分でなくなることを恐れているので、ロボトミー手術自体も恐ろしいです。真に恐ろしいのは、犯人探しと称してロボトミー手術を広めた人、執刀した医者を責めることです。誰か一人を責めて解決するほどに単純な事象じゃないんです。
当事者ではないからこそ言えることなのは百も承知です。僕だって家族や友人が廃人同然になったらこんな風に冷静でいられる自信はありません。特に科学に関しては、世の中で讃えられることと、再現性が担保されていることは別のことです。自然界はまだまだわかっていないことが多いので、勝手に分かったふうをしないことを肝に命じたいです。
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