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2023/03/21 World Baseball Classic 日本-メキシコ戦総括
吉田正尚選手の攻守に渡る活躍、失点後も傷口をそれ以上広げなかった投手陣の粘り、大谷選手のチームを鼓舞する姿、
これまで出番のなかった周東選手の好走塁、
何よりも勝利をもたらす「村神様」の決勝タイムリー…
世界でも指折りの能力を持つサムライ達の総力戦と呼ぶに相応しい躍動を見られたのは、間違いなく敵がこれまでよりレベルが上がったことが要因のひとつでしょう。
メキシコのゲームの進め方には敵ながらあっぱれ、と言いたくなりました。
序盤は少ない球数でアウトを取り、先発のサンドバル投手がイニングを稼ぎます。
メジャーでも上から数えた方が早い好投手を打ちあぐねている間にメキシコ打線は佐々木朗希当社から先制点を奪い、守備のファインプレーも生まれ、日本にジリジリとプレッシャーを与えます。
7回裏に吉田正尚選手の一振りでなんとか追いついたものの、後続の村上選手が凡退し、勝ち越せはしませんでした。
また、満塁の場面になってから点を取りあぐねていた拙攻や、明らかに本調子ではない村上選手で確実にアウトを貰おうとし、これまで機能していた上位打線を分断し…と日本がやられると嫌なことを満遍なくやってきた、という印象が強いです。
8回には4イニング目に入っていた山本由伸投手、回の途中から出てきた湯浅投手がそれぞれ失点し、痛い2点差をつけられます。
その後、代打の山川選手の一振りで一点差に詰め寄るも後続が続かず、あと一点が遠い状態で最終回を迎えます…
このように、先制されてから9回表までは完全にメキシコが試合を支配していました。正直、「負けた」と思っていた人も多いでしょう。オーシマもその1人です。
イタリア戦までは簡単に点を取っていただけに、一点を争う状況になり、日本には若い選手が多いだけに焦っていたようにも映りました。
押せ押せムードではないが、どんよりとメキシコに支配されていた試合の流れを変えたのは間違いなく大谷翔平でしょう。
後がなくなった9回裏、代わりばなのメキシコの守護神の初球を叩き、同点のランナーを早々に出したことで流れが日本に傾きます。
続く吉田選手は「フォアボールやデッドボールならオッケー」という開き直りを感じる投げ方をされた後、不振の村上選手を迎えます。
この試合までで吉田選手がヒットを打つ確率は5割近い一方で、村上選手がヒットを打つ確率は2割行かない程度と、野球を知らない人でも妥当な判断とわかる攻め方をされました。
実際、LINEグループで数分前まで全然違う話をしていた最中、「ここで村上か」という通知が流れてきたのを覚えています。
オーシマはふと、14年前のWBC決勝戦の記憶が甦りました。
点を取らないと負ける後がない状況で、本大会中は不振だったイチローさんに打席が回り、…
そんなことを考えていると、
スポナビから「日本サヨナラ勝ち」という通知が届きました。
不振の村上選手が一振りで決めてくれました。
ここまでいい試合が見れたのはメキシコの強さももちろん、好敵手との大一番で、己の中の敵との闘いを乗り越えた日本選手達の力のおかげです。
今日は決勝戦ですので、
みんなで応援しましょう!
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