SANABAGUN.を一度記憶から消し去りたい
12月13日、金曜日。サナバガンのライブに行ってきた。
ここ最近仕事が立て込んで残業の日々だったけれどどうしてもこの日だけは譲れなかった。というかこの日のために死ぬほど嫌な残業も頑張れた。開演に間に合うギリギリまで仕事をしてドタバタと退社して地下鉄に乗り込んだ。
わたしがサナバを初めて見たのは2017年のグリーンルームフェスだった。
ファッションも音楽も何かとセンスのいい友達の誘いで参加し、特に目星もつけていなかったので、「サナバガン見よう」という友達についていくがままに赤レンガの無料ステージに向かった。
その時の衝撃といったら、もう。
自分が知らないだけでめちゃくちゃに売れてるすごいおじさんたちなんだろうなと直感した。が、黒づくめの8人組はよく見たらみんな若くてゆとり世代だという。
無料ステージだから興味本位でふらっと立ち寄ってくる人々がいて、彼らは吸い込まれるようにしてその場で揺れだし、最後にはみんなで合掌をしていた(その時のラストナンバーが「まずは墓」だった)。印象的なのが外国人がやたら多かったこと。横浜だからかもしれないが。
それからというもの、彼らの音楽にまんまとハマり、東京で主催するライブはほぼ毎回行っている。
何回かメンバーの移り変わりがあったが、毎回飽きさせないほどにかっこいいと、少なくともわたし個人は感じている。
ただ、ライブが魅力的であればあるほど一度記憶を消してフラットな状態でライブを見たいと常に思う。わたしがサナバを知らない状態だったら脳みそにどれほどの衝撃をもたらしてくれるのだろうと考えてしまう。もうこれはどうしようもないことではあるけど。それほどにインパクトのある存在ってことで。
だからサナバガンをまだ知らない人は別に予習とかしないでいいから、というかむしろしない状態でライブに行ってみてほしい。
彼らのライブに行くとかっこよさに魅了されると同時に鳥肌が立ち、喉の奥が締まり、泣きそうになる。
それは見た目だけのかっこよさではなくて、曲一つ一つをどうやって魅せるか、どう盛り上げるか、緻密に計算して確実にファンの心を掴んでやろうという気迫と覚悟に圧倒されるためだ。
そしてその覚悟は人間皆等しく持てるものではないのだと思うとこちらとしてはすこしきまりが悪い。
というのも、わたしなんかは仕事・職場のいろいろとか転職したら済む話ってたくさんあるけど、彼らはひとつしかない音楽業界でクソみたいな思いをたくさんしてるだろうにずっと戦っている。
そしてそのクソみたいな思いをして溜まりに溜まったルサンチマンは曲にぶち込まれ、それがファンをエンパワメントしている。
こんなマイナスから生まれる好循環ある????
かっこよすぎて悔しさすら湧いてくる。
「自分たちは上がりだぜ〜」って高いところから夢は叶うよイケイケゴーゴーとか歌ってる人たちとは違って、現在進行形で毎回のライブでより高みを目指し、全力で戦っている彼らの背中を見て、だったら自分ももうちょっと頑張ろうって思わされてしまう。
あと個人的に平日にやってくれるところ、好き。残業多い方にはなかなか酷かもしれないけれど。
この前みたいな金曜日なんて最高。1週間なんとか仕事をやり切ってみんなで踊る「人間」は仕事終わりのビールの比じゃないくらいにキマる。そして泣ける。曲も歌詞も最高なのはもちろんだし、なによりライブに来ている一人一人がそれぞれの人生を生きて、ここで発散して「さあまた生きるか〜」ってエネルギーが満ち満ちている。
その空間を作り上げ、共有できる体験価値を生み出しているサナバガンという8人、あなたたち、自分らがどれだけの人間を救っているかわかっておられるか????とお聞きしたい。本当に本当にありがとう。
支離滅裂で全然ライブの感想とかじゃなくなってしまったけどもしこの文章を読んでくれる奇特な方いらっしゃったらサナバガン、是非ライブに行ってみてほしい。
【3月12日(木) Zepp DiverCity Tokyo】
過去最大キャパに挑むという。わたしはこれを生きがいの一つにしてまた金を稼ぐ。
http://sanabagun.jp/