【推し短歌】"推し活"短歌
推しへの思いとは少々違うけれど、「推し活」にまつわることを短歌にしてみました。
高揚を はらんだ車内も 人まばら 同担見つけて ピースサイン
ライブ帰りの電車内、最初のうちはタオルを首にかけ、キーホルダーでいっぱいのバッグを下げたファンで満員だったけれど、段々とその数も減っていく。心細くって照れくさくってタオルをバッグにしまったその時、がらがらの車内でふと見たはす向かいのシートに、同じツアータオルをバッグからちらりとのぞかせた「同志」を発見。思わず嬉しくなってしまった出来事。
推し友と 推し被りした 推しグッズ 名残惜しくも 押入れ行き
自分が絶対あの人を一番好き!と思ってたのに、友だちが同じ推しのグッズを持ってるのを見ると、なんだかちょっと特別感が薄れてしまう。マイルド同担拒否。
推しまでの 遠くて長い 人の列
みんな仲間で みんなライバル
握手列に並んだことはないけれど、こういう気持ちなのかもしれないな。
推しまでを じりじり進む 長い道
ただ一瞬の その笑顔のために
並んでる時間は永遠のよう、夢の時間は刹那。
笑うんだ きっと誰かが 見てくれる
あたしの前に 川はないけど
残酷な世界だから推される側ばかりじゃない。「推されない子」だっている。それを自虐にするのもアリだけど、見てほしいと願い続ける魂は美しい。
昭和なら 「推し」じゃなくって こう言った
「わたしこの歌 B面も好き」
B面も愛してこそ推しなんですよ!「カップリング」という言葉のなかった昭和時代のこと。
これにて「推し活」テーマの推し短歌はおしまいです。