これから必要なのはスカブラ

スカブラ

皆さんスカブラってなんだか知ってますか?

僕が初めて「スカブラ」って言葉を聞いたのはこの前やったzoom飲み会で話したAll Yoursのメグからでした。

「私、スカブラだから」

「え?なに?すかぶら?すかぶらって何?」

スカブラっていうのは九州の炭鉱会社に雇われていた人たち…つまり「職業」「職種」なんですね。

スカブラの人たちの仕事?役割は…

石炭を掘らずに「エッチな話やおもしろい話をしたり、みんなにお茶を出したりしている」

つまり「実務は何もしないで無駄話して皆を和ませる人」なのだそうです。

彼女曰く

「うちの会社(アパレル)は皆凄いスキルを持った人ばかり…私だけが大したことしてなくて…皆の話し聞いたり面白い話してるだけなの」

彼女はそう言いますが全くそんな事はありません。

去年の6月福井に来た時、彼女の商売人の娘として生まれた商売人魂、あっという間に皆と仲良くなり人の心を捉えて離さない尋常ならざる人心掌握能力の高さを目の当たりに見てますからね。

とある奴が言ってました。

「この数日で関わった野郎ども全員メグちゃんに恋しちゃいましたからね」

まさしく僕もそのひとり🤣

おっと話が逸れました。

スカブラの話です。

彼らは職場の他の男たちがキツイ労働をしている中、そばでバカ話しているのが仕事…会社もそれを認めていたというのです。

時代は変わり炭鉱も以前のように儲からなくなった時、会社がまず首を切ったのはスカブラでした。

それはそうでしょう。

実務は何もせず無駄口叩いているだけなのですから。

ところが…

スカブラが居なくなった途端、作業効率が著しく落ちたというのです。

この話を聞いて僕は思いました。

メグは自分の事を「私はスカブラ」と言ってましたが僕こそスカブラじやねーかって‼️

僕の仕事は飲み屋のオヤジ。

しかも美味しい料理を作れる料理人でもなく、ちょこちょこっと飲み物作って出したら後は毒にも薬にもならん四方山話してるだけ…

奇しくも娘が小学生ん時

「お母さんはお客さんに美味しいゴハン作ってるけど、お父さんはお客さんと話してるだけやが」

と言ったものです🤣

「いやぁ、君よく見てるねぇ!そうやお父さんはお客さんと喋るのが仕事。どや?いいやろ⁈喋ってるだけが仕事って」

毎日毎日丹精込めて農作物作っているお百姓さん、命がけで魚を獲ってくる漁師さん、家を建ててる大工さん…(誰がってまずは人の生活に欠かせない衣食住に関わる仕事をしてる人、額に汗して働いている人を心から尊敬してます)に比べ飲み屋のオヤジってなぁ…

社会貢献なんて大袈裟な事言うきはないけどホント居なくても大した影響ねーもんなー

自分の仕事を恥ずかしいと思った事はないけど心の片隅にちょっとあった後ろめたさみたいのがスカブラの話を聞いて少し救われました。

そうか僕はスカブラだ❗️

目に見えて人の役に立ってるわけではないかもしれないけど僕の与太話で「あー楽しかった。明日からまた頑張ろ」とか「あー誰にも言えずに苦しかったけどクマさん(あ、僕の事です)に話したら少し気が楽になった」とかいう人は確かに今までもいたはず…

スカブラの話はそれを裏付けてくれた話でした。

新型コロナの影響で今人々の心は荒んでいます。

これから僕たち飲食業とか映画館、ライブハウス、アート、音楽など実生活で直接的には人の生き死にに関係はないけど人々の心を慰めるモノが必要とされるのではないかと思っています。

現に僕なんてミュージシャンがネット配信してる動画チラッと見ただけですぐ泣けてきますもん。

僕は昨日「コロナ騒動のせいで誰とも会えず心が折れそうになってる人僕で良ければ話し相手になるよ。お金はいりません」という企画をたてました。

僕としては一対一を想定していたのですが3人の人が来てくれました。

「ステイホーム」「今が我慢のしどき、辛くても人と会わないようにしよう」というこのご時世、時代に逆行する行為です。

意識高い人には「このご時世になにやってるの!」とお叱りを受ける企画です。

「クマさんのやってる事、気持ちはわからないではないけど皆が同じ事やったらどうなるの?」

と言われたら反論の余地はありません。

考えの浅い偽善的な行為と言われたら「そうですね」と頭を下げるしかありません。

でも僕はあえて断行しました。

僕と話す事で少しでも心の慰めになるならと…

間違ってるかもしれない…

考えが浅いかもしれない…

でもこれが飲み屋のオヤジの僕が考えた僕なりの「今、僕が人の為に出来る事」なのです。