負けてたまるか
さっきゴハン食べながら録画してあったNHKのドキュメンタリー「負けてたまるか」を観た。
東日本大震災の時津波で壊滅的な打撃を受けた宮城県女川町でスーパーを営んでいた男性と災害で亡くなった伯母の子(従兄弟)の9年に及ぶ復興の日々を描いた物語。
母親(社長)と伯母(常務)、7人の従業員を災害で亡くし、店舗も無くした男性は伯母の子を引き取り我が子と同じように育てる。
初めは町でただひとつだったスーパーマーケットの再建に向けて寝食を忘れ働く「(従兄弟の)お兄ちゃん」を尊敬しているのだが大学を出してもらいスーパーに就職して一緒に働くようになってから次第に反発し、家を出てしまう。
移動スーパーから始め、大きな借金をして9年かけ新店舗を開いたその日、街を離れていた彼は人目につかぬ遠くからオープニングセレモニーを見ているが社長(従兄弟のお兄ちゃん)の挨拶が聞こえないからとスーパーの敷地内に…
そこで彼は新社長の開店の挨拶を聞く。
涙に声を詰まらせながらスピーチをするお兄ちゃん。
「僕には4人の子供と伯母から授かった子がいます。その子たちが女川に生まれ育って良かったという街にしたい」
というスピーチを聞いた時
(ああ、僕は忘れられていたわけではなかったんだ。大切に思われていたんだ)と初めて従兄弟のお兄ちゃんの気持ちを知るのであった。
…泣いたね。
多くの人を亡くし、店舗を無くし、多くのものを無くして尚「負けてたまるか」と歯を食いしばっている人々。
それに比べて僕はどうだ。
店もある。敦子さんもいる。気にしてくれる人もいる。
普段から暇だった店が、凄く暇になったというだけではないか!
まだ何も無くしてないではないか!
「負けてたまるか」
このコロナ禍、勇気をもらえる素晴らしい番組だった。