「男性はセックスで頭がいっぱい」ではない 2022年11月【2】
【A】
性の話題に関して、昔から気になっていることがあります。「男性はいつもセックスで頭がいっぱいだ」みたいな表現です。そんなことはないと思うのです。
思春期の男の子の話となると、更に強調されます。でも思春期と言えば、親との関係、友人との関係、学校の成績、進路など、たくさんのことで悩みます。性の悩みは、山ほどある悩みのひとつに過ぎません。
もちろん性欲が極端に強い人もいるでしょう。でもそれが一般的な存在とは思えません。まして現代社会は複雑です。性のことだけで頭がいっぱいな人間が多数派とは考えにくいです。
自分が性的なことばかり考えているからといって、男性がみんなそうだとは言えません。彼氏や男友達がそうだからといって、男性一般がそうだと言うことはできません。
日本の男性は6000万人、世界の男性は40億人います。彼らの大半に当てはまるのでなければ「男性はみんな〇〇」とは言えません。
【B】
性の多様性も考えなければなりません。LGBTといえば昨今の流行思想のように思うかもしれませんが、昔からあったものです。
昔は「男はこう、女はこう」と決められていて、逆らうことが難しかったから、無理やり多数派に合わせていただけです。
【C】
言動で判断することも難しいです。こんなシーンを思い浮かべてください。学校の休み時間に、ひとりの男子生徒が、女性のヌード写真集を持ってきたと告げます。すると彼の友人たちが群がります。
彼らの全員が、それに関心があるとは断言できません。写真そのものより、それで盛り上がること自体が心地よい子もいるでしょう。仲間外れにされたくなくて、楽しんでいるフリをしている子もいるかもしれません。
写真集を持ってきた子も、仲間を喜ばせたかっただけかもしれません。禁じられていることだからしたいと思っただけかもしれません。
女性を見下すことを「男らしい」とする男性文化があることも考えなければなりません。男性は男性社会の一員として評価してもらうために、女性を軽んじることがあります。女性をぞんざいに扱うことによって、男性という性別の価値を上げようとするのです。
【今回触れた問題について考えるのに役立つ本】
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