2019年7月8日 吉田拓郎「夏休み」の歌詞について
吉田拓郎「夏休み」の歌詞は叙情的だ。しかし感情表現は出てこない。「麦わら帽子は もう消えた」「姉さん先生 もういない」「指おり 待ってた 夏休み」。どれもあったことを言っているに過ぎない。
最後の「ひまわり 夕立 せみの声」などは名詞を3つ並べているだけ。それなのに、聴く側の心に響く。感情を呼び起こさせる。これは俳句だ。
「懐かしい」という言葉を使わずに懐かしさを感じさせ、「会いたい」という言葉を使わずに会いたい気持ちを表現する。詩人とは、こういうことのできる人のことだ。