有村治子氏のLGBT法案審議【国会文字起こし】

何の変哲もない国会文字起こしです。

2023年6月15日
内閣委員会
性的嗜好及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案(LGBT理解増進法)に関する質疑
自由民主党 有村治子委員

(動画の16:21から)

有村委員
皆さま、おはようございます。
15分という極めて限られた時間で5問質問を伺いたいのでご準備をいただきました答弁者皆様に感謝を申し上げご協力を仰ぎます。
よろしくお願い致します。
歴代の安倍、菅、岸田内閣総理大臣自民党総裁が明言されてきたように、LGBT等性的マイノリティの方々に対する不当な差別や偏見はあってはならないと考えます。
と同時に、このLGBT理解増進法案によって、国民の不安が増すような事態は避ける努力を続けなければなりません。
私たち女性の多くは、公衆浴場の女湯や、女性トイレ更衣室が安全で安心できる場であることを極めて重要な価値だと考えており、女性や子どもたちの安全安心を確保するために、下半身男性の外形をした人が女性スペースに侵入することを防ぐ、社会規範、法規制は当然これからも堅持してほしい社会秩序だと考えます。
安心できる女性トイレが、今後も存続し続けることは死活的に重要です。
現在東京都渋谷区の公衆トイレ等において、従来、男女別にそれぞれあったお手洗いが、男性小便器及び共用トイレと回収されてしまった箇所が複数あり、区民や都民の不安動揺が広がっています。
これがLGBT理解促進の目指すところなのでしょうか。
誰にとっても気兼ねなく入れるトイレをというのであれば、従来の女性トイレ男性トイレに加えて、誰でも気兼ねなく入れるトイレをという第三案の設置があるべき姿だと考えます。
この法案は従来の女性トイレを解消し、ジェンダーレス共用トイレに代替していくことを目指しているわけではないと明確に断言できますか。

新藤義孝 発議者修正案提出者
はい、とても大事なポイントだと思います。
そして前提と致しまして、この法案は理念法であります。
何か個別具体的なものを取り決めたり定義をしたりということではございません。
そして、お尋ねのこの女性用の施設等のですね、利用の在り方を変えるようなものではない、そういったことは想定をしておりません。
そして、社会生活の上では、そもそもこの法案におきましても、憲法14条の下で差別は禁止されている一方で、合理的な区別として、戸籍上の性別ないしは身体的な特徴によって判断されるこの男女の性別に基づき、ご指摘のような施設が区分される、この秩序が設けられているわけであります。
本法案はこうした合理的な男女という性別に基づく施設の利用の在り方を、変えようというものではございませんし、マジョリティの女性の権利や女性スペースの侵害は許されないことは当然だとこのように考えております。
したがって、こうした区別があった上で、男性用トイレ女性用トイレに加えて多目的トイレやジェンダーレストイレなどの整備というものは考えられると思いますが、それはこの女性用トイレをなくして何かに切り替えるということではないと、このように私は考えておるわけであります。

有村委員
大事なご答弁を心して拝聴致します。
次に教育について文部科学省に伺います。
現在小中学校の性教育においては、男女の性行為、すなわち具体的な性交の方法については、取り扱わない旨、学習指導要領で規定をしています。
今後本法案によって、LGBTに対する社会の理解が進んだとしても、学校教育においては性的マイノリティの方々の性行為や性的描写について具体的に学校で教育する趣旨ではないという理解でよろしいでしょうか。
文科省に伺います。

星野 文部科学省スポーツ庁審議官
お答え申し上げます。
初期における審議の過程で、本法案は理念法であり、個々の人々の行動を制限したり、新しい権利を加えたりするものではない、との見解が示されており、本法案は児童生徒に具体的な性交の方法を教えることを目的としたものではないと理解しております。
なお、現行の中学校の保健体育の学習指導要領におきましては、思春期に妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から、受精妊娠までを取り扱い、妊娠の経過、すなわち性行為は取り扱わないものとされており、この点を踏まえた対応が必要であると認識しております。
また、小中学校及び高等学校における性に関する指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ることなどに配慮するとなっており、これを踏まえた指導が行われるべきものと考えております。

有村委員
明確なご答弁を拝聴致しました。
続けて、海外先進国の立法状況について伺いたいと思います。
朝日新聞、毎日新聞、日経、東京新聞が、日本だけがLGBTに関する立法が遅れている、と報道される一方、読売新聞や産経新聞は、LGBT法案がないのは日本だけだというのは誤りである、各国ともLGBTに特化した差別禁止法を設けていないのが一般的だと報じており、報道のトーンは対立をしています。
いったいどちらが正しいのでしょうか。
G7先進7か国において、LGBTに特化した法律を持っている国は、どのくらいでありますか。
外務省に伺います。

石月 外務省大臣官房審議官
お答え申し上げます。
G7各国の取り組みにつきましては、各国を取り巻く事情が異なることから一概に比較することは困難でございますが、その上で申し上げれば、所謂性的嗜好、性自認を事由とした差別に特化した法律は、外務省としては把握してございません。

有村委員
外務省が認識する限り、G7において、LGBTに特化した法律はないということでよろしいですね。
確認します。

石月審議官
はい、その通りでございます。

有村委員
外務省のご答弁を伺う限り、東京新聞が度々書いておられるような、日本だけがLGBTに関する立法が遅れている、恥ずかしいとの印象を必ずしも持ちえません。
本件については、読売、産経新聞の冷静な報道に耳を傾けたいと存じます。
続いて、外務省に伺いします。
駐日米国大使でいらっしゃるエマニュエル大使は、日米関係の強化に向けて精力的な貢献があります。
政治家の経験も大いにプラスになっていると認識します。
その一方で、ことこのLGBT問題については、大使の執拗なまでに挑発的な言動が日々物議を醸しています。
LGBT法案推進に向けての大使のなりふり構わぬ言動については、自民党の部会においても厳しく指摘されており、国会においても与野党の議員が既に大使の言動に疑義を呈し、全国紙の社説も、米国大使の言動は内政干渉だと断じています。
反発を覚える日本国内の声は既に米国のFOXニュースでも取り上げられており、LGBTに関する大使の言動はアメリカ国内でも批判的に報道をされています。
そこでまず外務省に伺います。
LGBTに関し、アメリカはどのような立法状況になっているのでしょうか。

宮本 外務省大臣官房参事官
答え申し上げます。
米国内でのLGBT関連の立法状況についてでございますけども、まず、国連邦レベルでは様々な考え方ございまして、性的嗜好性自認に特化して差別禁止を定める法律はございません。
一方で、各州レベルで見てみますと、LGBTに関する法律の制定を積極的に進めているところからLGBTに関して批判的な法律を制定しているところまで、州によって立場には幅広い違いがあると、このように認識しております。

有村委員
すなわち、エマニュエル大使は、日本にLGBT法案を強く迫ってくる行動を重ねられる一方で、出身国の米国では、民主党、共和党においても、LGBTに関して様々な立場、法に対する立場があり、国レベルでのLGBT法案は、成立していないということを外務省が証言いただきました。
本国で実現できていないことを声高に日本に迫る外圧、世論誘導、影響工作であるとすれば、これを警戒する声がでてくるのも無理からぬことだと考えます。
LGBT法案に向き合う日本の現状については大使は日本は進化の過程にあると公言し、日本を見下し評定するような不遜な態度は、日米関係を大事にしたいと思う国民思想を逆撫でし毀損します。
LGBT法案、岸田総理のリーダーシップに感謝、あるいは、公明党のリーダーシップで来週には成立見込み、と先週のうちに発せられたツイッターは、国民の代表である与野党各会派の合意によって確定をする国会運営をも愚弄するものであります。
日本は、独立主権国家です。
他国の支配や干渉を受けず、国の統治の在り方を決める主権は、日本国及び国民にあります。
LGBT法案について、先鋭化するばかりの大使の言動について、日本には日本政府には、しっかりと独立国家としての矜持を持って毅然と向き合ってもらいたい、と考える少なからずの国民の声に日本政府を代表する外務省は、いったいどのように向き合われるのでしょうか。
お伺いします。

宮本参事官
質問にお答え致します。
私どもと致しましても当然駐日米国大使による様々な発言発信については承知しております。
一般に駐日米国大使を含む米国側とは日米同盟のマネジメントの観点から必要に応じて様々なやり取りを日々行っておるところでございまして、私どもと致しましては、国民の信頼の下で、しっかりとした外交を進めていきたいとこのように考えております。

有村委員
外務省のご努力に敬意を払う一方で、米国大使には敬意を持ち、その自由な発言を担保する一方で、私たちの国民感情にどう外務省が向き合っていただいているのか、その声にはどう向き合われるかということを伺っております。

宮本参事官
米国側とのやり取りの一つひとつの内容についてこの場で明らかにすることは差し控えさせていただきますけれども、ただ私どもと致しましては、国民の信頼の下でですねしっかりとした外交を進めていきたいと、このように考えておりまして、そのような立場に基づいて、常日頃から必要に応じて必要なやり取りを米側との間でしっかりとやっているところでございます。

有村委員
文字通り、ご意図を尊重し、また、本当にしっかりとやっていただいてることに敬意を持ち当然ながらこの言動についてはおそらくは米国大使館でも日本の外務省においてもアメリカの国務省においても皆さんこの意図をやっておられるということに賛同しているかどうか私は与り知らぬところですが、綿密なコミュニケーションをこれからも日米の固い絆の信頼関係のためにご努力をいただきたいというふうに思います。
共に生きる共生社会の原点は、皆の安心と尊厳、また、相互の信頼と敬意、無理のない関係性が大事だと考えます。
外務省のやり取りをしてびっくりしたことですが、アメリカへの内政干渉にならないように、それぞれ本当に気を付けて日本の外務省がやっておられること、私はその姿勢にも頭が下がる思いです。
ですから、そのバランスの中で外国との関係もあり、そして私たち人々の関係もあり、それぞれに敬意を持ってそして相手を尊重しながらも自らの主張も大事にするそういう共生社会の発展につながるような活動をこれからも私自身も続けていきたいと明確にその温かい思いを持ちたいという意思を明確にして、私自由民主党有村治子の質問を終わります。
ありがとうございました。



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