見出し画像

ふたりの敏雄

息子には亡くなった父と同じ名前をつけました。
私は国際結婚なので、子供が生まれた時
私が筆頭戸籍主なり、子供達が私と同じ籍に
入りました。

なので、息子は父と全く同じ名前です。
父は55歳で心臓の大動脈破裂で
突然亡くなりましたので
短命な父と同じ名前は良くないと
言われたりもしましたが
英語圏では、両親や祖父母と同じ名前は
珍しくもないので、同じにしました。

父が死んでいなかったら
同じ名前をつけることはなかったと
思いますが。

22歳で結婚した私ですが
子供を持ちたいとは思いませんでした。
でも、父を亡くした後、無性に子供が
欲しくなったんです。

息子に父の名前をつけたのは
大好きな父の名前をいつも身近で
呼んでいたかったからです。

いつも「さなは、俺の宝だかんな」と
私を可愛がってくれた父。
「うまいもの、やっか」と言っては
べたべたの黒糖飴やきな粉棒をくれた父。

そんな駄菓子は、父が子供の頃に
欲しくても、なかなか食べられなかった
思い入れのあるものらしかったです。

獣医だった父は、とても努力家で
家でも、いつも研究と勉強を怠らず
だらだらしている姿は見たことが
ありませんでした。

いつ死んでも悔いがないように
いつも、全力で生きていると言っていた父。
毎日がとても楽しくて、わくわくすると
言っていた父。
そんな父に、会いたいなぁ。

私の戸籍謄本は、ドラマのひとつも
書けそうなくらいの波乱万丈さですよ。

国際結婚で、離婚した夫と復縁して
死んだ父親と同じ名前の息子が
復活したように生まれてます。
情が深いんだか、業が深いんだか…

因みに
明治33年1月7日と
昭和33年1月7日で
母方の祖母とは同じ誕生日です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?