ササっとヤマモモ
とある外国人の知り合いに贈り物をする機会がありまして。
息子は、なんでも最初から最後まで手作りにこだわるんです
(良いことだけど、親としては非常に面倒)
で、私が最近、草木染めに凝っていることから、手拭いを染めると。
染料は何にする?と言うと「ヤマモモ!美味しいから」(染めるんじゃないの?)
というのも、植物や樹木が大好きな息子は、学校でも色んな樹木を見つけてきます。
で、食べてると案の定、女子に注意されるという。
それで理科の先生にお願いしたら、ヤマモモの実を拾わせてくれたんですね。
「先生もここにあるなんて知らなかったよ、みんなには内緒で持って帰ってね」
息子はそんな理科の先生が大好きで、その晩に染めたヤマモモのハンカチを翌日、先生にプレゼントしました。
すごく綺麗な色が出たんです。
で、これを手拭いに染めて外国人にプレゼントしようと。
虫除けスプレーをガンガン振りかけて、二人で公園にいきました。
ところが、ヤマモモが一つもありません。
後から知人に聞いたところ、カラスがやってくるから早めに区の清掃が入ったかもしれないと。
ヤマモモって季節が短いんですね。
どうする?ってことになったんです。こういう時、以前の息子なら強いこだわりがあって「ママ、スマホでヤマモモのあるとこを探して」となり、私はゲンナリするし腹立つし、マンツー子育てって本当に疲れると思っていたのですが、
「プランBに変更!」右手をおでこのところに持って行って敬礼の真似をしました。
「おっ、切り替え上手な隊長、何にしますか!」と私。
「ササである」「え・・・」確かにそこらじゅうにぼうぼう生えてましたよ。
まぁ、重曹を入れれば色が濃くなるし、大丈夫かなと摘み始めたら、隊長の摘む動作の早いこと、早いこと!
「隊長、何をそんなに焦っておられるのですか、周りには我々以外、誰もおりません」
「見よ!あそこに小川がある。笹をササっと済ませて小川に向かうのだ」(隊長、ギャグですか)
そして、あれよあれよと笹はビニールいっぱいになり、隊長は小川へ。
もちろん、パンイチになったことは言うまでもありません。
「つ、冷たい!だがこれに負けないのが男なのだ」と訳のわからないことを言ってずっと水に入って、生き物探しをしてました。
その小川の近くには栗や柿もあり、大喜び。勝手に剪定を始めました。
新梢だの、結果母子だと訳のわからないことを言い、いつもの演説が始まったので、ササっと帰りました。
「ママ、ここ二人の秘密の場所にしようね!」と、この季節なのにすでに現地の子のように日焼けしている息子が、とても愛しくて、学校なんか行かないでずっとママと遊んでいようよ、と言いそうになりました。
でもすぐに「可愛い時はいっとき、すぐにまた喧嘩するから程よい距離が1番」と思い直すのでした。
※剪定は目立つほどやっていません。息子曰く、切らないとまずいところだけ切ったそうです。
収穫としては天然のタニシ、筋エビ、ヌマエビなど。
「うむ、これなら我が家のビオトープに仲間入りできそうだ」と隊長、満足気にパンツを絞ってビニールに入れ、ズボンだけ履いて自転車漕いで帰りました。
遊びたいことが目先にあったから切り替えができたのか、それとも柔軟な対応ができるように成長したのかはわかりません。
ですが「そこに自然があれば、なんでも遊び道具になる」ことを知っている息子を逞しいと思ったし、だからホームスクールをやって来られたのだな、と。
あの時間がなかったら今の息子はではなかったろうと。
なぜなら、学校の校外学習だとプランBはすでに先生が考えておいてくれますもんね。
その夜、栗の葉と笹を染めました。やはり栗は茶色に、ササは黄色になりました。
外国人にプレゼントした際、グーグル先生とジェスチャーで全て通じたので、
「僕は英語を勉強しなくても大丈夫だ」と間違った自信をつけた息子でした。
その他には藁で草履を編んでプレゼントしてました。
草履の鼻緒に5円玉を通していたので「なんで?」と聞いたら「アメリカには穴の空いた硬貨がないから貴重らしい」と。
かなり素晴らしいプレゼント。全部、自分で作れたし、私も口出しせず、見守ることができて満足でした。
いつもこんな子育てができたらな〜と思いますが、翌日はまたバトルしていました。