AIに負けない職業を見つけました。

最近、私の海洋保全記事や知見を評価してくれた会社がありまして。
契約を決意したのですが、業務委託書が来ないのですよ。
そのほかにも、あまりにアバウトな「カジュアル面談」ということだったので、(だいたいカジュアルな面談って日本語、おかしくないか?)委託料や振込先など質問したんです。
業務委託契約に書いていることの抜粋とでも言いましょうかね。
(委託料は~円から~円まで)という不明瞭なものだったので。
そうしましたら「忙しいので質問に答えている暇はない、相性が悪いのでこの話は無しで」と返事が来ました。
まぁ、これぞ「ザ・世知辛さ」ですなぁ。

しかし、曖昧な媒体との契約は恐ろしいですし、そのカジュアル面談にzoom参加していた広報の方に、無言の圧オーラを私は感じてたんです。
私、自分にとってこのような危険な相手を察知する力が、ライターになって3か月、ぐんぐんと成長しています。(ライティングスキルについては不問でお願いします)
それほど、散々な目に遭ってきたので、はい、ずぶとくなりました。
50歳にして持っているのは「厚かましさと贅肉だけ」だと世間では言いますが、私はそれに「図太さ」も加わりました。
(というか、本当は泣いたり、入院もあったし、熱も良く出してるよ!だけどロキソニン飲んで、仕事はガッチリミッチリやってるんですっ)
そして今では、「あ、この取材やめよ。絶対にファクトチェック以外の書き直し要請が来るわ」という勘も身に付けました。
(勝率50%なので、大した勘ではありません)

しかしですね、広報さんが相手に圧をかけるような人であったら、ライターとしても怖いのですよ。
たとえ素晴らしい展示会、映画であっても「私が書かなくても誰か書くだろう」と言い訳をして、その取材はしない、つまり世間に紹介しないのです、私は。プロじゃないな・・・と自分を責める日々が続きました。

ライターになったばかりのあの猪突猛進さはどこに行ったのか、まったく欲が減ってきました。
おそらく社会人2~3年目で悩むアレですよ。
「もっと自分を生かせるところで働きたい」という幻想に近いアレ。
実際「あなたのスキルを待ってます」とかいう求人があると、
霊感商法なのに信じて、そちらに吸い込まれそうになるアレ。

そんな時、SNSでちょっとつぶやこうものなら、一気にやってくる
『〇〇@幸せコーチング」とか、そういう系のフォローも同じです。
でもン十万なんですよ(はい、ひっかかりそうになった人です)

そこで、ママ友に思い切って「50歳で初めて知った不条理や理不尽について」相談したんです。
「あなたね、間違ってもスピ〇〇ュアルとか、公的相談に行っちゃだめよ。時間の無駄だから」
「じゃあ、どこに行けばいいのよ?」
「スナックよ」
「・・・なんでスナック菓子が」とは言いませんでしたが、目が点。

でも、夜、その女友達と行ったんですよ、スナックに!
まるで講義でした、お通し代と料理代より価値ある授業でした。

では情報共有します!
「スナックのママの条件① 聞き上手たれ」

早速、「世の不条理というか理不尽というか、感じるんだよね」と私と同じことをママに相談している人がいるじゃありませんか!
(そしてママ友は早速カラオケに興じているではありませんか!)

ママは、相手が何を求めているのかを見極めるのが一番大切だと知っているのですね。これは経験がものを言うでしょう。
「ただ聞く?それとも一緒に考える?」とさりげなくお酒のお代わり。

私の中で、一つの言葉が浮かびました「個別最適な対応」
さらにママの話は続きます。
「まあ、話してみて。世の中なんて不条理だらけ、仕事は理不尽の温床よ」

あ~まるで霊感商法のように、私は吸い込まれてその話の輪に入ってしまいました。

「スナックのママの条件②同じ悩みを持つ者同士を繋げる力」
知らない相手だけど、同じ悩みを持った者同士がママを通じて、解決へ向かいます。
また私の頭の中に「これって学活?兄弟げんかの仲裁?」
(もしかして、スナックのママって、教師?お母さん?)
しかも対面ではなくカウンターに横並びで、同じ釜の飯を食べながら、話すことが大事だと感じました。
(あれ?部活?部活帰りのカウンター席ラーメン?)

「スナックのママの条件③聞き流す力」

こうして、ママを含む私とその人は愚痴を吐いていたのですが、どうも相手は何を言っても「でもさ・・・」とネガティブ。
段々イライラしてきたのを察するのもママの力。
相手がトイレに立った隙に私にこう言いました。
「聞き流してあげて」
はぁ~、恐れ入りました。「聞き流す力」があれば理不尽もやりすごせそうです。

「スナックのママの条件④家族を大事にする」
トイレに行った相手を、ママがさりげなく他の女の子に任せます。
「聞き流す力って、どうやって身に付けるんですか?」と、私は尋ねました。
まるで最近、流行りのビジネス書「~の見つけ方」自己啓発本のタイトルみたいですが、思わず聞いてしまいました。
「家族がいるからかな。家族がいるから世の理不尽にも耐えられる

「スナックのママの条件④キーワードしか与えない」
一番しみこむ言葉でした。
そうか、私にも家族がいる。家族がいるから、生活のために相手に頭を下げられる人がいたら、それはとてもカッコいいことだ。
そんなことを思っていたら私の中で「広報チームが面倒でも、その作品自体が良ければ、ちゃんと世の中に発信すべきではないか」と、初心が少し戻ってきました。
私は伝えたいテーマがあり、その手段としてライターになりました。
それは家族に関することでした。
それなのに、いつの間にか、傷つくのを恐れて、自分が隠れHSPだから、関わるのが怖くて、インタビューから逃げていました。

特にそれは去年の冬から始まったのです。
ある展示会の取材で「私たち関係者全員が納得のいく記事になるまで私(広報)と校正のラリーをするか白紙にするか」と、記事の書き直しを迫られました。怖かったので、あっさり白紙にしました。
それから私は企業の圧力に屈した自分に自信が持てなくて、仕事を選ぶようになっていました。
そして高圧的な人に対してビクビクし、それでも立ち向かわなければいけない、言うべきことはいうべきだ、と空回りしていたことに気付いたのです。このママの「聞き流してあげて」の一言で。
「聞き流す」なんて難しいことだろう。

「ママにも家族はいるの?」「もちろん!そしてその理不尽な対応をする人にも家族がいる。家族のために栗秋さんに高圧的な態度を取ることが仕事の一部だったのかもしれないよ」
「そんなわけない、あれ、絶対に性格だし」と言いましたが、
私も、取材相手に「申し訳ないです。ここの書き換えは出来ません」ということがあり、言われた相手は私に負の感情を持つことでしょう。
しかし、私は他にも抱えてる案件がありますから、自分の中で「修正依頼は何回まで」と決めています。
これも良く考えたら、とても冷徹な対応だなと思い始めました。

私には数ある取材の一つでも、相手からすれば取材を受けるということはめずらしいことです。
何度でも書き直してほしかったのかもしれません。
それを、断るのも私の仕事なのです。

「スナックのママの条件⑤包容力」
ママと交わした言葉はそんなに多くはありませんでした。
しかし、この「同じような悩みを持った人が集まる空間」で、人と人を結び付け、「私だけではないんだ」と思わせる会話のスキル。
そして、私の悩みの根源に対しても「家族がいる、みんな家族を養うために、理不尽に甘んじて生きている」と思わせる力。決して「これはこうすればいいのよ」など指示は出さない、ただ包み込む。

「お母さんのように、時に先生のように」お客さんと接する包容力。
これはAIにはできないことです。
なぜならAIは、正しいことをエビデンスに基づいて教えてくれるけど、人間の感情の機微まで分析できません。
夫なんて正論しか言わないし、子どもには打ち明けられないです。

スナックのママは間違いなくこの先のAI台頭の世界で、人を集める仕事になるでしょう。そしていつかそれは同じ悩みを持つ者同士のコミュニティとなり、生き苦しい世の中を緩和してくれるかもしれません。
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今回ご登場くださったママの記事は下記より、ご覧いただけます。


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