別に暇じゃない
平日の昼間から公園で陽を浴びている。
他にはじいちゃんと孫らしき2人組がいるだけでのどかな暖かい午後である。
孫は歩けるようになったばかりというところだろうか。しんちゃんと呼んでいた。
歩けるのが楽しくて仕方ないのかもしれない。きゃっきゃと楽しそうにはしゃいでいる。
じいちゃんはしんちゃんの言うなりに一緒にあそんでいる。
2人のこれからを考える。
そのじいちゃんはきっとこれからもしんちゃんに温かい愛を与えて母親に非難されながらも大変甘やかす。
ししんちゃんが泣いていればじいちゃんも心を痛める。
しんちゃんが好きだと言ったおやつを買っておく。
しんちゃんが機嫌を損ねてもただ困ったような顔で静かに笑う。
私はなぜかそのじいちゃんの葬式を想像する。
遺体は安らかな表情をうかべている。まるで幸せな人生であったと語っているようだ。しんちゃんは物心はついているだろうがそれほど大きくなっておらず泣き止むことはない。じいちゃんの棺から離れない。
悲しくて悲しくてやりきれない
幸福そうな人間を見ると少し怖さを感じる私である