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キャリアの転換点で試行錯誤


はじめに

「この機会に飛び込むべきだろうか」

ここ最近、いくつかのキャリアの機会に出会う機会がありました。サステナビリティ領域のスタートアップ、新しい技術分野の企業、そして国際的な非営利組織。どれも魅力的で、自分の関心領域と重なる機会でした。でも、なかなか踏み出せない自分がいます。

よくよく考えてみると、これは単なる転職の判断以上の何かがありそうです。30代半ばという時期に感じる将来への漠然とした不安。次のステージで本当に求められる力とは何か。そんな問いが、心の奥で渦巻いているような気がします。

悩みの正体を探る

実は最初、これらの求人に出会った時は「面白そうだな」と純粋に感じていました。製造業での営業、サステナビリティ系のスタートアップでの経験、そして今の大企業でのプロジェクト。一見すると、どの求人も今までの経験を活かせそうな気がしたのです。

けれど、じっくり内容を読み込んでいくうちに、だんだん躊躇が出てきました。表面的には似ているように見える経験も、文脈が変われば全く違う意味を持つかもしれない。そんな不安が少しずつ顔を覗かせ始めたのです。

特に気になるのは「人を動かす力」です。確かにこれまでも、プロジェクトの推進や部門を超えた調整など、人を巻き込む経験は積んできました。でも、それは既存の組織の中での話。新しい環境で、異なる背景を持つ人々と、ゼロから関係性を築いていく。そんな状況で、本当に力を発揮できるだろうか。

スタートアップでの経験を思い返してみても、同じような不安はありました。当時は「とにかくやってみよう」という勢いで飛び込み、結果としていい経験になりました。でも、その時とは立場も求められる役割も違います。より大きな責任を伴う立場で、果たして同じように挑戦できるだろうか。

外部の機会から見えてきたこと

それぞれの求人をじっくり読み込んでいくうちに、少しずつ気づきが生まれてきました。

サステナビリティ領域のスタートアップからの求人では、新規市場の立ち上げという大きな挑戦が提示されていました。一つの領域を任されるポジションで、戦略からチーム作り、パートナーシップまで幅広い責任が求められます。

それはある意味、自分の中の「スタートアップ経験」を問い直すきっかけにもなりました。確かに0→1のフェーズは経験しました。でも、その時は一プレイヤーとしての経験。マネジメントという視点では、まだまだ未知の領域が広がっています。

新しい技術分野の企業からの求人は、より専門性の高い経験を求めるものでした。事業と技術、その両方の理解を持つ人材として声がかかったのだと思います。でも、その期待に本当に応えられるだろうか。表面的な理解ではなく、より本質的な価値を提供できるだろうか。そんな思いが去来します。

国際的な非営利組織からの機会は、また違った角度からの問いを投げかけてきました。利益だけでなく、社会的なインパクトをより直接的に追求する。そんな環境で、これまでのビジネス経験をどう活かせるのか。新しい価値観との出会いは、心躍る反面、大きな不安も感じます。

今の環境を見つめ直す

こうした迷いの中で、ふと気がついたことがあります。実は今の環境にも、次のステージに向けた準備のチャンスが、たくさん転がっているのではないか。

日々のミーティングや報告の場面。これまではルーティンとしてこなしていた部分も、視点を変えれば貴重な実践の機会かもしれません。経営層への報告一つとっても、より戦略的な視点を意識的に盛り込んでみる。データの見せ方を工夫する。そんな小さな挑戦から始められそうです。

チーム内での役割も、もう一度考え直してみました。いつもの業務の中で、実はリーダーシップを発揮する場面は少なくありません。ただ、これまではあまり意識せずにやってきた部分も多かった。これからは、より意識的に取り組んでみよう。そう考えるようになりました。

また、部門を超えた調整の機会も、新しい視点で捉え直せそうです。単なる情報共有や合意形成ではなく、異なる背景や価値観を持つ人々との協働の練習台として。実は、外部の機会に飛び込む前に、今の環境でも多くの学びを得られるのかもしれません。

新しい視点との出会い

最近、何気ない会話の中でチームメイトから興味深い話を聞きました。その人も以前、大きなキャリアの選択に直面したそうです。そのときに感じた不安や迷い、そして最終的に決断に至るまでのプロセス。

特に印象に残ったのは、「誰でも最初は不安なんじゃないかな。でも、やってみたら案外なんとかなることもある」という言葉。確かに、スタートアップに飛び込んだ時も不安でいっぱいでした。でも、やってみたら思いがけない発見や成長があった。

その経験を思い出すと、今回の機会も、また新しい学びをくれる可能性を秘めているのかもしれません。ただ、その時とは違って、より慎重に準備を整えたい。そんな気持ちも同時に湧いてきます。

また別の先輩からは、「転職は手段であって目的ではない」という示唆に富む言葉をいただきました。本当に大切なのは、自分が何を成し遂げたいのか、どんな価値を生み出していきたいのか。その本質的な問いに向き合うこと。その視点は、現在の自分の迷いを解きほぐすヒントになるかもしれません。

試行錯誤の中で見えてきたこと

この数週間、求人との出会いをきっかけに、様々な角度から自分のキャリアについて考えてきました。まだ明確な答えは見つかっていませんが、少しずつ整理できてきたことがあります。

一つは、「準備」に対する考え方です。完璧な準備ができてからでないと次に進めない、そう思い込んでいた部分がありました。でも、実は日々の小さな実践の積み重ねこそが、本当の意味での準備なのかもしれません。

また、「経験」の捉え方も少し変わってきました。これまでの経験は確かに自分の財産です。でも、それを過去の実績としてではなく、次の成長のための土台として捉え直す。そんな視点が大切なのではないでしょうか。

そして何より、この迷いのプロセス自体が、実は重要な意味を持っているような気がしています。安易に結論を急がず、じっくりと向き合う。その過程で見えてくるものがある。そう感じ始めています。

これから考えていきたいこと

まだまだ試行錯誤は続きそうです。でも、少しずつでも前に進んでいきたいと思います。

具体的には、以下のようなことを意識しながら、日々の実践を続けていこうと考えています:

  • 今の環境でより意識的に成長の機会を見出すこと

  • 新しい知識やスキルの習得に、より積極的に取り組むこと

  • 様々な人との対話を通じて、異なる視点や考え方に触れること

そして、外部からの機会との出会いは、そのための貴重な気づきを与えてくれる存在として、大切にしていきたいと思います。

おわりに

この記事は、まさに試行錯誤の途中経過です。答えはまだ見つかっていませんが、考えていることを言語化してみることで、少し整理ができた気がします。

同じように考え、悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ皆さんの経験や考えもお聞かせいただければと思います。キャリアの選択に正解はないのかもしれません。でも、お互いの経験や気づきを共有しながら、一緒に考えていければ嬉しいです。

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