心あらわれる『親切』をみる
年に2度の”ご挨拶“手配の際、感心させられる光景
正確に言えば、4回
会社のと、自分のお中元・お歳暮の配送依頼に百貨店に行く
インターネットで済ませれば良いじゃないと思うかもしれないけれど、商品券はインターネットでは手配出来ないので、行く
億劫じゃないし、遠くないし、何ならここに来るのが楽しみなくらいだ
番号札を取って待機場所にズラリ並べられた椅子に座って待つ
以前に比べるとこの習慣自体が減少したのかインターネット注文が増えたのか、このスペースもすごく小さくなっているし受付の人数も大幅に少なくなっている
けれども、待ち時間や待ち人数は感覚的に変わりがない
うまく流れに乗ることの出来ない人間の、時代の流れを感じる個人的な感想であって、不平不満ではない
『蕎麦のセットと麺つゆが付いてるねんな』
『それは焼酎や。芋焼酎と麦焼酎のセットやな』
親子らしい二人組がカタログを見ながら話している
もう慣れた光景だけれど、送付されたカタログを会場で初めて開封するような方がとても多い事に驚く
自分の番号が表示され、カウンターに座り、会社の分は担当者が記入した物を渡し、到着時期の希望を伝え、入力されるのをボーっと眺める
入力を終え、一緒に画面確認したり、お会計をしたり、入金を待ち、控えをもらったら、おしまい
『確認をして参ります』と、席を立たれたのでしばし待機する
社員さんなのか、贈答担当の方が奥におられるので入力作業するスタッフの方はこうして確認をしてもらうため、添削待ちの生徒のように並んで待っておられる
両隣は私よりうんと前から(待っているときから見ていた)座っておられるので、興味津々で様子をチラ見する
右側の男性は、係の方の質問や確認にハキハキハツラツと受け答えされる
『リストの方、前年通りすべて贈られますか?』
『そうやね』
『前年と同じ価格帯の同じような種類のものでよろしいですか?』
『そやね〜、見てくれる?』
『かしこまりました』
えー!そんなサービスあるん!?とその親切な様子に驚く
カタログをめくりながらピックアップした物を提示し
『こちらでいかがでしょうか?』
『あー、やっぱり、こことここはお中元だけにしよかな』
『〇〇様と、△△様ですね、かしこまりました』
『でねえ、ここは、小さい子おるし、やっぱりお菓子にしよかな』
『お届け時期はどうなさいますか?』
『12月上旬でええか』
『かしこまりました』
『せやけど、ここはよう旅行しよるさかい、下旬にしといて』
『かしこまりました』
顔色一つ変えずに、にこやかかつ迅速に要望に応えながら、入力・訂正・入力、と作業をされている
すげえな
履歴がある先は、前中元・前歳暮と前に何を贈ったか分かるけれど価格や内容が変更されているので新たに該当のカタログの商品品番を記入して注文する
会社では担当者が前年度の履歴を社長に確認してもらい、変更や指示があればそのように訂正して渡されるので、私は諸所の確認とお会計以外することは無い
この作業を、おそらく初対面の人と、その人の知人のお出かけの予定や家族構成など、詳細情報を聞かされながら順番にやっているのである
そして、私のところもお会計のタイミングとなり『入金してまいりますので少々お待ち下さい』とまた少し待つ事になった
左隣の女性も、商品をひとつずつカタログ片手に選んだりしていたが、画面を一緒に確認したりお届け時期など全部確認を終えた雰囲気だったのに、突然
『あら、これ、私が持っていくのよ』
とおっしゃった
おそらく配送で手配が進められていたのだろう
社員さんだか、担当の方が出てきて入力し直しをされていた
たまに、『ちょっと割引あったりするしネットでやってみよかと思ったけど、さっぱりわからんし、やっぱり来たわ』なんておっしゃる方もおられるので、やっぱり対面入力は心強い存在なんだと思う
この時期だけのお仕事という方なのか、派遣とかなのか分からないけれど、本当にすごく親切な方ばかり
お仕事なんだから当たり前でしょって事なのかもしれないけれど、この親切で丁寧な対応はいつもいつも感心させられる
少なくとも私は、嫌な思いをしたことは、無い
今日の夕方、自分の分の注文をしに行ったが、少しややこしい作業をお願いしているにもかかわらず丁寧に対応をしてくださった
待ち時間が出来るので、また周りをチラリ見ているとすごく腹を立ててずっと怖い顔をして大声で話されている方もおられたが、受付の方は低姿勢で謝り続けておられた
漏れ聞こえる(大声なので)感じでは、他部署の不手際っぽいし、場所変えるとか担当の方が出て来るとかないのかな?なんて思うほど長い事同じ言葉を繰り返して、怒っておられた
お隣に座られた方は、ポケットから小さく畳んだ用紙を渡し『これでやっといて。なんでこんなんせなあかんのか思うけど、しゃーないわな〜』と言いながら、目薬をさす
目薬を差し終わると、ひとつずつ確認しながら
『これは、孫や』
『こっちは熨斗いらん』
と、やりとりをされていた
自由!
今年もまた、心あらわれる時間を過ごした