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湖畔の朝の夢

何度か深夜に目覚めたけど、意識がはっきりしてきた時はすでにテントの外は薄明るかった。

急いでNicon D600を持って湖畔に向かう。
昨晩の夕立からどうやら雨は降っていないようで、地面は乾いていて、少し空気もさわやかに軽やかだった。

湖畔では霧が立ち上り幻想的な風景が広がっていた。向かいに見える稜線は方角的には本栖湖に向いている。遠くには富士山があるはずなのだかそれは想像するしかなかった。
そのどこかの山あいから見える太陽の光が、だんだんと強くなってオレンジ色に変わっていった。
虫が水面でステップを踏み、魚が飛びあがる。
静かな早朝に水が弾く音が遠くけれどたくさんの数で聞こえた。
静かだ。
静かだけど無数の生命活動を感じる。
それが聞こえてこの目に見えている。
高層ビル群の夜の光のように。
むせ返るような騒がしさと何かが始まりそうな静けさに包まれながら霧がかった湖畔は朝日を吸い込みはじめ、キラキラと輝きを増していった。


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