本当のやさしさとは
今日は一番下の娘の話をシェアしたいと思います。
一番下の娘は今小学4年生。人のお世話をするのが大好きで、『役に立った!』と思うことに生きがいを感じる子です。
ある日、学校の図工に使うために雑巾をもっていかないといけないときがありました。一枚でいいのに、二枚持っていきたいと言ってきました。だれか忘れたりしたら、貸してあげるためということ。前回新聞紙が必要な時も5日分くらいの新聞紙をもっていってました。新聞をとっていないお家があるのであげるためとその時も言ってました。
このエピソード、一見なんて優しい娘に育ったんだろうと感動のエピソードですが…。
実は私は娘に言いました。
『あんじゅ、雑巾を忘れた子に貸してあげることは、とっても良いことに思えるけど、本当にそうかな?』
娘はぽか~んとした顔をして、考えていました。少し考えて
『うん』と答えました。
『ママは、実はいいことかどうか悩んでる。もし忘れ物をしてあんじゅからいつも物を貸してもらってる子、来年あんじゅと違うクラスになったらどうなる?』
あんじゅは、一言
『あかん、その子は来年困っちゃう』
『そうかもしれないね。もしかして忘れ物をして困ってしまったら、次は気をつけるかもしれないと思わない?』
小学4年生に言うのはどうかと思ったのですが、喜ばれることが好きな娘は、きっと相手の様子を見れず、有難迷惑になっている可能性があると思ったんです。そしていろんな立場や考え方があることを知ってほしかったのです。
このことは、私がたくさんのスタッフを育てている中で、一番不幸なことだと思っています。一生懸命相手のためにと思ってしたことも、相手の考え方や立場で有難迷惑になってしまうことがあります。特にリーダーは、その傾向が強い人が多いです。そして私もその傾向があります(娘のことは怒れません)。
社会において様々な立場と価値観があることを知り、それらを大切にすることは人間関係の構築に必須です。このことが少しでも頭の中にあれば、もめごとが減り、リーダーたちは今より楽に仕事ができると思いました。