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回顧録⑭

グランドオーナー時代、はじめて販売会社から認められたと思う瞬間がありました。2018年にシンガポールで行われた全国の優秀販売員が集う大会で、自分の気持ちや決意をスピーチできるという役割をいただけたときです。全国大会で販売会社から優秀だと認められた一人のグランドオーナーが毎回させていただけるスピーチで、お店を出したときからの夢でした。今までお世話になった方へ、公開でお礼を言える唯一の機会だったからです。

2018年のシンガポール大会には、約2000名の美容部員とオーナーたちが集まっており、一世一代の晴れ舞台でした。

その時のスピーチは私にとって今までで一番のご褒美でした。

内容は、以下の通りです。長すぎます。

『第129回ポーラ全国大会にご招待を受けられた皆様、おめでとうございます。 また栄えある壇上表彰を受けられました皆様、心よりお祝い申しあげます。 オーナーになって以来の夢でもありましたこの『誓いの言葉』を述べるという大役をさせて頂きますことは、大変嬉しいことでありますと共にこんな私でいいのかという気持ちもあります。 しかし、今日まで私のことを大切にしてくださった皆様に心から感謝の気持ちをお伝えするために誓いの言葉を述べさせていただきます。

Apex―youは全傘下21ショップが大阪市内にありPBは6店舗、T&T1店舗、エステIN4店舗で成り立っています。 私の登録は1998年2月、ちょうど登録20年になりました。 年齢は45歳です。ポーラに登録してから結婚し、現在は夫と、中3、小3、3歳の3人の子供がおります。 何故だか色んな所でビューティディレクターには珍しく実年齢より上に見られるので傷つかないように先に言っておきます。
和歌山県の山間にある田舎の街で高校卒業まで過ごし、大阪の大学を卒業。税理士試験の為に夜間の専門学校に通いながら、公認会計士事務所で会計補助の仕事を3年間していましたが、どうしても税理士になりたくて、勉強に専念するために仕事を辞めて在宅で勉強していました。 そんなとき、「毎日勉強ばかりもできないでしょ?女の子は綺麗になって損はないから、マッサージの勉強に行っておいで」と私の担当のポーラさんだった、アプローズ千里・篠原グループオーナーに今のワークに誘っていただきました。 それが私がポーラに入ったきっかけです。 その時は化粧品にもそんなに興味はなく、税理士になる夢は諦めていませんでしたが、宿題の為にしたマッサージで頂いた「ありがとう」という言葉に感動したこと、また篠原グループオーナーの優しさに触れたことで、ポーラをやってみようという気持ちになりました。BD時代は1人暮らしをしていたことも有り、月一度ほどの休みで、ダブルワークしながら1日12時間以上馬車馬のように働きました。お金もなかったですが、辞めたいと思ったことは一度もありませんでした。 前職時代は、年に一度胃カメラを飲むほどストレスを溜めていた私ですが、ポーラに入り、和宏の吉本グランドオーナーやグランドグループのオーナーマネージャー、BDの先輩たちに甘やかしてもらい、仕事が楽しくて仕方なかったです。

そんな私をみて、大学を出て就職浪人をしていた妹が「私もポーラに入りたい」と言ってきた時は正直悩みました。責任がかかるので、今みたいに甘えられないのが嫌だったからです。でもその時妹が入っていなかったら、今頃ポーラに私はいないかもしれません。 その妹をなんとか一人前にしたいという思いと、もっと職域のお客様に来て頂きやすく、まだポーラのエステのお店はないけれど、エステを探すなら心斎橋と言われる場所でしたいと考え、2000年8月、ポーラ大阪ビルの近くに出店しました。 その当時、まだ27歳でポーラ歴2年、独身ということもありグループオーナーのお店の近くでもない、家賃の高い場所に出店することは当然周りの方々から大変心配されました。 しかし家賃が高いのはお客様がたくさんいるからだし、これからはもっと若い女の子にもポーラを使ってもらいたい。その為には心斎橋でエステサロンをするんだと意気込んで出店。しかしびっくりするほど皆様の心配が的中しました。 オーナー・マネージャー申請に入った途端、6人いたスタッフは妹だけになり、さらに開所式の10日後に父が亡くなりました。ファザコンで父を尊敬していた私は、人生の道しるべを失い、途方に暮れました。 そんな中、当時の販社長が「これからのポーラは、Apex―youのような子が活躍する」と励ましてくださいました。 また自分のグランドグループから離れたところに店を出していた私を、南部の高山グランドオーナーが研修会に誘ってくださったりと、周りの人の支えがありなんとか認定をとることができました。 そんな中、縁あって結婚し、妻として母としての喜びを感じた事で、リクルートに対する気持ちも大きく変わりました。本当の意味での人を愛するということを知った事が、人を大切にするという事の意味を教えてくれました。

現在、Apex-youには3人のグランドオーナー候補がいます。
1人目は、苦しい時に1人残ってくれた、実の妹・AQUAの津村グループオーナー。認定の表彰のとき、 「母体長を支店長にしたい」と言ってくれましたね。 1番売上が低い認定でしたが、 「今は1番後ろだけど、一緒に1番前に行こう」と話し、私は心の中でグランドオーナーになることを決意しました。 今期グランドオーナーに挑戦するAQUAに精一杯のエールを送りたいと思います。 そのAQUAと2007年にPB心斎橋店を出店 念願の心斎橋の名前のついたPOLA THE BEAUTYのお店。 心斎橋の名前があるだけで、勝ったも同然と思っていました。しかしそんなに上手くいくはずもなく、 一人でカウンターに座って泣くこともしばしばでした。そんな中、AQUAとその傘下のamieがPB肥後橋店を出店する話が出ました。 この時、私の背中を押してくれたのがエステインナカジマの中嶋グランドオーナー。 傘下が出店して離れていく不安で揺れていた私に、しんどい事にも一歩進むことの大切さを教えて下さいました。本当にありがとうございます。 またその分店により、経費が厳しいと思っていた私に店を出すといってくれたのが、2人目のグランドオーナー候補である、Allure小林グループオーナー。POLAの中で、たくさんの人と出会いましたが、私が初めて自分をさらけ出したのはあなただったように思います。 出店の時、私は自分のお店がなくなろうともあなたの出店を成し遂げたいとまで思えました。 まだまだBDとしても未熟だったAllureは、一生懸命でしたが、認定をとるものの一時は70万資格まで落ちてしまいました。今3つの傘下をもつグループオーナーにまであなたを成長させたのは誰でも受け入れて、優しく包み込むあなたの才能だと思います。それをいつまでも大切にしてください。 そして3人目、実の娘と錯覚するほどの傘下に出会います。 Acariの林グループオーナー。 若干22歳だったあなたは、毎日泣いていましたね。 赤ちゃんのように甘えてくる時期を過ぎ 思春期のように反抗してくる時期も有り 今は母となった娘のようになりましたね。 あなたの成長や変化に感じる私の喜びや想いは実の子供のようです。実の子供と合わせて4人分、変え難い幸せをくれてありがとう。いつまでも私の娘でいてくださいね。 この3人を初めとした、傘下の皆を育ててくれたのが【2007年11月より始まった自主自立のPB研】PB研はPBにふさわしいスタッフを育成するために立ち上げた研修会で、初めの参加者は10名程度でしたが、今では70名以上に。 ポイント数も6ショップから33ショップに。 PB研のおかげでたくさんのオーナーマネージャーができました。PB研のオーナーマネージャーたちにもお礼が言いたいです。Apex―youが小さなお店で、誰からも認められていない時に 皆でBDを育て、皆で大きくなろうという志に賛同くださったアクティ茨木の黒田グループオーナー、裕奈の乾グループオーナー、コスメハウスぴゅあの植田グループオーナー。 本当にありがとうございます。特に植田オーナーは、私の辛い時は、どんなときでも駆けつけてくれ 私がやめたいと漏らした言葉に、忙しい中店まで会いにきてくれ、じっと話をきいてくれたこと、今でも私の大切な宝物です。ありがとうございます。 今年グランドオーナーになるとおっしゃっていました。一緒に会議に出るのを楽しみにしています。

2012年、私のPOLA人生の中の岐路がやってきます。グランドグループ昇格です。 グランドグループ昇格をするきっかけになったのは、T&Tの前身になるPBディアモール大阪店の出店です。 もともとApex―youグランドグループは職域や路上アプローチで増客していましたが、そんな時代も長くないと考え、次はコラボと思っていましたが、それも大阪の中心地は、お店自体も狭い所が多くコラボをさせてくれるお店も少ないのです。お金を出してもイベントしなければと思い、様々なイベント会場での開催をしましたが、一回数十万するイベント費用の負担はとても大きく、より良い立地で効率的にPRが出来る店舗の必要性を感じるようになりました。そこで本部のグランドオーナーになろう会で、当時の社長に 「今までにない、常設イベントのような店舗をしたい」と伝えたところ、本部も新しい形の店舗を模索中とのこと。 しかし、「営業支店長でもない1母体長の意見は聞けない。営業支店長になってから提案しなさい」と言われ、その期に昇格することを決め、傘下に伝えました。傘下のオーナーたちみんなの力でなんとかグランドグループ昇格。 締め切り2週間前に70万資格のBDがやめるというトラブルにも負けませんでした。 どうしても好立地物販店を出したかったのです。 ディアモール大阪店の出店は実は2箇所の候補地が有りました。物販しか出来ないディアモール大阪。エステベットを2台併設できるクリスタ長堀。梅田か心斎橋か。PB心斎橋店をしていた私は、最寄の地下街であるクリスタ長堀に出店する事を当初の目標としていましたが、これからの傘下の為には、より立地の良い梅田に位置するディアモール大阪の必要性が高くなると考え、ディアモール大阪に決めました。 梅田にあるディアモール大阪は、1日30万人の通行量があり、Apex-youの得意とするOLさんたちがたくさん通行する場所だからです。 しかし経験のない物販だけのお店で、常にお客様の目にさらされているお店。 新人のころからエステでの増客しかしたことのない私達にはちんぷんかんぷんで、売上0の時もあり、毎日の報告を聞くのが震えるほど怖かったのを今でも覚えています。 何とかしないといけないと思い、ディアモール主催の研修や会議に出させてもらい、グランドグループの皆と工夫しながら、全国ショッピングモール協会のロープレ大会にも出場するなど、外部での勉強の機会にも身を投じながら成長をしてきました。 物販店をすることで様々なことが分かってきました。お客様は、PBディアモール大阪店を私のお店ではなく、ポーラのお店として見ていること。ポーラのお店は、どこもポーラのお店なのです。言ってしまえば当たり前の事ですが、訪問販売で育った私は、そんな事さえも心の底から思えていませんでした。近畿の様々な地域から人が集まる立地なので、他店の話をたくさん聴きました。自分のグランドグループのことも色々な所で噂されている事も分かりました。今はSNSなどで簡単にお店の噂が拡散します。だからこそ大阪全体でポーラのイメージをあげていくことが大切だと感じています。お客様が自発的にポーラに来てくださるような大阪のマーケットにしたい。自組織だけでなく、全ての組織が協力しないとできないことです。 前期、BAの大型イベントをセンター全体で開催することを提案。色々ございましたが、大阪センターのグランドオーナー全員で これから活躍するオーナー・マネージャーに良いマーケットを残してあげたいとイベントに取り組みました。センターの中で統一すべきことは統一し、他の組織の良い所は個性を活かしあう。大阪全体のイメージをアップさせるイメージが湧きました。
そしてこれこそが昨年12月16日に出店させていただいたT&T「ポーラクリスタ長堀店」の基本になっています。ディアモール出店時には1度諦めたクリスタ長堀。こちらも今までとは異なるエステの無い物販形店舗。しかし今だからこそ考えられた 大阪全体のイメージアップについて 1. 常にお客様に見られていることを意識する 2. 売り急がない 3. お客様のご都合に合わせた提案、組織意識に捉われない他のエステ店の紹介 一番最後に関しては、歩合制という私達の仕事からなかなか難しいと思いましたが、その考えの基本こそ、大阪の諸先輩たちが教えてくだった事そのものだと気付きました。 何もできない私に、手を差し伸べてくれ、アドバイスをくれた先輩方。しんどい、落ち込んでいる時に声をかけて側にいてくれた仲間たち。 そんな皆さんの優しさは全て「POLAは1つである」という想いで繋がっていました。 商品だけでなく、お店まで、お客様の為に最適な提案をする。 自分の組織・縄張り意識に捉われずに、皆が皆の為に、1つのPOLAの為に在ろうとする。 みんなで大きくなろうとおっしゃってくださった先輩方の想いと、また家庭訪問販売から職域訪問、エステサロンと様々新しいことにチャレンジしてきた先輩方の心を次の世代に受け継いでいきます。 これからの世の中は、人にしかできない仕事しか残りません。 だからこそ今まで先輩方が築いてくださったポーラには、明るい未来しかないと思います。

しかし今のままでは、生き残れないのも確かです。 よりお客様目線に立ち、POLAのブランド価値を高め、更に新しいことにチャレンジしないと、この厳しいマーケットを勝ち抜くことはできません。 これから私は、もっと気軽にポーラを体験したいというお客様の気持ちにあわせたT&Tを成功させ、 ポーラにしかできないお客様との稀有な関係を作れるPB、ESTHEINNを発展させ、今まで以上に「ポーラって素敵、使ってみたい」といわれるマーケットを創造していきたいと考えています。その為に、自組織の成長も手を緩めません。
Apex―youグランドグループには守るべき心があります。 1. 何はなくとも、相手のことを尊敬すること 2. Apex―youは家族です。 色んな事ありますが、周りの方を愛してください。 この2つはどんな時でも21ショップみんなで大切にしてほしいと話しています。この気持ちがない人は、Apex-youには1人もいません。 大阪にはApex-youというチャレンジ精神を持ち、愛溢れるグランドグループがあると言われるようになりたいと思っています。』

こんな長いスピーチをさせていただきました

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