FLOWERS
2020年6月26日。WONK LIVE TOUR東京公演。
本来このライブに行くはずだった日です。
新型コロナウィルスの影響で二度の延期を経て、地方公演は中止という厳しい状況の中、なんとか開催された東京公演に、金曜日、週末の第一歩として参加してきました。
金曜日は仕事でいろいろイレギュラーがあって、本来出社の予定がテレワークとなり、加えて夕礼での連絡事項も多く、開演時間である18:30に間に合いませんでした。
ライブに行くようになった学生時代の頃から、一度たりとも遅刻はしたことがなかったのに(仕事なので仕方ないとはいえ)非常にもどかしい思いで、有事の時しか乗らないタクシーまで使って、会場へと急ぎました。タクシーに揺られて渋谷の雑踏を通り抜けていくとき、研修期間が終わったらフレックスを使ってライブ最優先の社会人生活を送ることを心に誓いました。
不幸中の幸いだったのは、ライブの最終調整が押しており、開演から聞き逃した時間が最小限に抑えられたこと。ぬるっと入場して、さも「最初からいましたよ」という顔で体を揺らしました。
新たな照明チームとタッグを組んだという今回のライブの演出に魅了され、聴覚と視覚を完全にWONKの世界に支配され、遅れてライブに来たことすら忘れてしばらく楽しんでいたのですが、そんな楽しい時間ほど過ぎるのが早いというのは世の常。
メンバーが軽く挨拶をしてステージをはけ、観客の拍手が徐々にアンコールに変わっていくあの瞬間。「まだ続くんだ」というワクワクと、「次で終わりか」という名残惜しさが同時に押し寄せる中、メンバーよりも先にステージに到着したのは、見出し画像にもあるような、大きな生け花。
新曲「FLOWERS」のジャケットをかたどった生け花で、あの草月流の作品だとのこと。
「アンコール一曲のためにだけ使うなんて豪勢だな」などと考えていたタイミングでメンバーが再登場し、会場は再び熱気を取り戻すと、早速最後の一曲である「FLOWERS」が始まる、、かと思いきや、ドラムでリーダーの荒田さんが、珍しく「話そうかどうか迷ったけど、少し話させてほしい」とMC(というよりスピーチ)を始めました。
内容をざっくり要約すると、
・自分たちは「誰かのために」とか「誰かの糧になってほしい」という理由で音楽を作っているわけではない
・自分たちがいいと思う音楽を作り続けて、それを面白がってついてきてくれるマイメンたちへの感謝と、これからもついてきてくださいというメッセージ
・でも、この「FLOWERS」という曲は、WONKが初めて「ある人のために」書いた曲で、その人は思い病気を患っており、その方に対するアンサーソングである
という内容。加えて、その方が今日、会場に足を運んできてくれているとのこと。
感動的なメッセージで、会場の皆がそれぞれ熱い思いで、心が一つになったタイミングで、「FLOWERS」がスタート。この曲は今までのテイストと少し違うとは思っていたけれど、なるほどそういうことがあってできた曲なのかと答え合わせをしつつ、改めて本当に良い曲だとつくづく実感しました。
当然その方がどこでライブを見ているかは分からないけれど、おそらくあの会場にいた全員が応援の意味を込めて手を振っていたことだと思います。
一年越しのライブで、新曲を携えて、胸を打つような背景もあって。個人的には華金で舞い上がっているし、「ライブってこんなに感情が揺さぶられるものだっけ?」と昂ってしまいました。なんか、学生の時よりライブが楽しいです。
本当に最高の夜でした。これからもWONKについていきます。