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SFっぽい写真

渋谷や新宿でスナップをしていると、「なんかSFっぽい写真撮れたな」というときがある。

SFと言っても、都市夜景をバチバチに加工したいわゆる「サイバー系」の写真とは少し違う。

どちらかといえば日常的だがちょっと不思議で、都会の風景にささやかな面白みやシュールさを加えた写真たちだ。

新宿駅。
ノーファインダーで乱射していたら偶然撮れた。
ブレによって時空が歪んだように見え、異次元が表出したような感覚になる。
新宿のアップルストアを磨く清掃員たちが、
すぐそばのバンの窓ガラスに映っている。
アップルストアの金属感と、歪みによる非現実感がなんかSFっぽい。
アルタの広告ディスプレイを見上げる外国人の方々。
光に照らされた複数の人が同じ方向を見上げている光景がなんだかシュールで、
彼らの視線の先に、UFOとか世界終末のカウントダウンとかを想像した。
欧米系の方々だったのも映画っぽかったかもしれない。
新宿駅東口の駐車場前で撮った一枚。
奥にある建物が実験施設っぽいのと、
停車したトラックの雰囲気も『バックトゥザフューチャー』みたいで好き
(細かくてすみません、よかったらPART1を観てください)。
これも新宿。
目の前を過ぎる車のキラキラと、
その奥にいるターミネーターっぽい広告のおじさん。
これは渋谷センター街の奥の方。
モニターに映ったダンス集団に異星人ぽさを感じる。
通行人が何にも気にしていないのが共存してるぽくて、
逆にディストピア感。
渋谷ZARA(たぶん)の入口。
金属の縁に映るマネキンが、
何も知らない人々を見つめる異形の存在のように見える。
渋谷での一枚
奥にいるバンのフロントガラスに可愛い系のキャラクターが映っている。
目が笑っておらず、可愛すぎないのがいい。
『まどマギ』のキュウベエみたいに、
人類のことをそんなに大事にしてなさそうな感じがする。
渋谷のカラオケとかが入ったビルのガラス。
反射した光が、何かの加減で破片をばら撒いたようになっていて、
そこに時空の亀裂みたいなものを想像した。
上野での一枚。
ガラスが二重になっているため、
電話している人のドッペルゲンガーみたいなのがいる。
改装中の渋谷TSUTAYA。
作業員の宇宙っぽさと、ガラスに貼られたシートの皺と光。
このガラスの奥になにか機密が隠されている気がしてくる。
これは日中の渋谷。
ビルに映るビルと、スポットライトで照らされた通行人のコントラスト。
両者が対角線上に並んでいたことで、
窓に映るビルに、
なにか人間を見下ろすような存在感を感じた。

SFの種類でいうと、「サイバー系」の写真が『スターウォーズ』や『ブレードランナー』、『攻殻機動隊』だとしたら、この写真たちは『未知との遭遇』、『ストレンジャーシングス』、あるいは『GANTZ』みたいな感じだろうか。

わかりやすいザ・未来感というより、現実世界の延長に超常的なものが出てくる作品が浮かぶのは、僕が普段から日常における小さな違和感に反応して写真を撮っているからかもしれない。

いつもそれでうまくいくというのでもないし、当たり前の日常を丁寧に切り取った写真もわりと好きで、よく撮っている。

ただ傾向としていえば、僕は当たり前のなかに潜む歪み、当たり前を当たり前で完結させないなにかみたいなものを探していることが多い気がする。それがなぜなのかは、まだよくわからないけど。








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