不二

東京在住のフォトグラファー。渋谷などを中心に、スナップとポートレートで活動中。街を彩る光をとらえ、日常に潜む美しさや都会的情感を表現したいと思っています。このnoteでは、撮った写真を小さな写真展のようにしてまとめたり、写真に関する考察や撮影中に考えたことなどを書きます。

不二

東京在住のフォトグラファー。渋谷などを中心に、スナップとポートレートで活動中。街を彩る光をとらえ、日常に潜む美しさや都会的情感を表現したいと思っています。このnoteでは、撮った写真を小さな写真展のようにしてまとめたり、写真に関する考察や撮影中に考えたことなどを書きます。

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僕は暗い写真が好き

こんにちは不二です。 写真を見てくださる方が増えてきたので、ここらで自己紹介的なものをしておこうと思い筆を取りました。 どういう写真を、なにを考えながら撮っているのか、ちょっとだけ書きます。 写真的なバックグラウンド 10代の頃は小説ばかり読んでいました。 最初は王道のダブル村上を読み、のちに海外の作家へと傾倒。セリーヌやブコウスキーなど、荒々しくてどこか繊細な作家たちが好きです。 一方写真集はほとんど見たことがなく、ソールライターの『WOMEN』という私的なポー

    • ある具体的な状況の中で制作することについて

      1月からSNSにあげていた写真をもとにつくっていたブックに一応の段落がついた。まだセレクトや順番に多少の調整を入れる可能性はあるけれど、全体としては形になったし、コンセプトを自分なりに言葉にすることができた。11月の展示に出せたらいいなとは思っているけれど、出そうと思ってる賞の規定によっては別の本になるかもしれない。いずれにせよあらためて、写真が本当に自分の命を繋いでくれていたのだなと思う。

      ¥300
      • 7月にあった幸福な出会いと、写真活動でお金をもらうことについて

        こんにちは不二です。 実は今年の5月にSNS、そして写真をやっていて本当によかったと思える出来事がありました。 韓国の知らない女の子から「7月に東京を旅行するので記念用の写真を撮って欲しい、お金は必要なら払います」といったDMが来たのです。 僕は職業カメラマンではないため、一般の方を撮影した経験はほとんどなかったのですが、翻訳ツールを利用して書かれた文面から伝わる彼女の人柄や熱意に心動かされ、1時間5000円で受けることに。自身としては初の有償撮影となりました。 写真

        • 関係を記述すること

          こんにちは不二です。 最近Xで写真の投稿だけでなくテキスト発信もしたいなと思っているのですが、言葉というものは難しく、写真とはまた別の意味で自分のスタンスやしっくりくる・こないを問われるなと感じています。 とくに写真関連の話題についての多少深いコメントや持論を展開しようとすると、「なんか違うな」と思うことが多く、違和感を抱えたまま発信することの気持ち悪さを忌避して踏みとどまることになりがちです。 今日はそんな迷いのなかでふと思いついた、自分にとって心地のいい発信スタイル

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        僕は暗い写真が好き

          美や芸術について理論的に考えたい人のための読書案内

          こんにちは不二です。 先日Xの相互フォローさんに本を紹介したのですが、あらためて本棚を眺めてみて、もう二冊ほど広めたい本が見つかったので合わせてnoteにしてみました。実は大学で美学というものを齧った人間なので、美学あるいは芸術学についての入門書が中心になります。 紹介と言っても、本棚を見せるのが恥ずかしいという人がいるように、読んだ本の話は多分に自分語り含んでいると思います。 実際、この頃は自分の写真を抽象的な視点から整理してステートメント的なものを描こうとしている時

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          僕のスナップはサーフィンに似ている

          たぶんあまり一般化できる話ではないのだが、僕はスナップを、「カオスに秩序をもたらす行為」として捉えている節がある。 あるいは、「カオスから秩序の生まれる瞬間に出会う行為」という感じだろうか。 渋谷に写真を撮りにいくとき、スクランブル交差点を前に呆然としてしまうことがよくある。 まず人が多く、あちこちで様々なことが行われ、ビルからは言葉やイラストや映像、音楽といった様々なメッセージが降ってくる。ましてや光の問題もあるから、情報が多いうえに変化が激しくて、なにに注目しなにを

          僕のスナップはサーフィンに似ている

          SFっぽい写真

          渋谷や新宿でスナップをしていると、「なんかSFっぽい写真撮れたな」というときがある。 SFと言っても、都市夜景をバチバチに加工したいわゆる「サイバー系」の写真とは少し違う。 どちらかといえば日常的だがちょっと不思議で、都会の風景にささやかな面白みやシュールさを加えた写真たちだ。

          SFっぽい写真

          渋谷で好きな桜が撮れるまで

          これまで写真集というものをほとんど読んできておらず、手探りでアレなのだが、写真を撮るときは自分なりに、なにか街や人のイメージを表現したいと考えている。 先日桜を撮りに行った渋谷でも、ただ桜を綺麗に写したいというより、「この街に桜が咲いていること」そのもののイメージはどんなだろうと考えながら歩いた。 屋外で普通に撮った桜。ビルの間を流れたり舞ったりし、自然物の荒々しさを感じる。いい写真はいい写真だが、なにかが物足りない。調和性がないというのだろうか、桜そのものの躍動感ばかり

          渋谷で好きな桜が撮れるまで

          春を泳ぐ

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