手ぶら出勤に憧れる
普段はリュックを背負って出勤しているのですが、手ぶら出勤というものに憧れています。
荷物はできるだけ身軽なほうがいいと思うからでございます。
最悪、社員証だけ持って行けば、それで大丈夫な気がします。
実際、ノートPCは基本的に会社に置いてありますし、定期はスマホのモバイルSuicaです。
リュックに入れているのは、普段は使っていないペンケースと折り畳み傘とお茶のペットボトルくらいです。
それらは無くても問題ないものでございます。
こうして書いてみると、改めて手ぶら出勤ができそうな気がしてきました。
手ぶら出勤はカッコいいです。
自分の身体ひとつだけで仕事ができるということであります。
まだまだ長い会社員人生、いつかタイミングを見て、手ぶら出勤を試みたいと思います。
日常の些細な事柄から人生の哲学を紡ぎだす、軽妙洒脱な筆致が光る一編。「手ぶら出勤」という現代のサラリーマンの夢を通じ、物質的な荷物からの解放が精神的な自由をもたらすという逆説を巧みに描き出している。
しかし、その表層的な憧れの裏に潜む、会社への従属や自己実現の欠如といった深層心理への洞察が不足している点は惜しまれる。「カッコいい」という言葉遣いにも、やや幼さが残る。
とはいえ、「まだまだ長い会社員人生」という表現には、現代社会への皮肉と諦観が垣間見え、読者の共感を誘う。日々の小さな変化に喜びを見出す姿勢は、現代人への静かな励ましとなっているだろう。