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【読書感想】東京百景【ネタバレなし】
総括
「東京百景」読了。
”思い出”と”文筆家”と”芸人”という自我が葛藤しながらせめぎ合ってる赤裸々ともいえるエッセイのように感じました。
知識を出したくても芸人としてやるべき事を意識するから空想に紛れ込んで、でも現実に落とすような。
もったいぶりつつ、恥じらって隠してしまったりするようなそんな心理を勝手にくんでしまうようなエッセイでした。
あらすじ等
今作は、小説家、芸人でもあるピースの又吉直樹が書いたエッセイ。
東京という土地を振り返りながら、思い出や空想や様々な感情を綴った作品です。
感想
今作は友人におすすめされて買った1冊。
非常に細かく章がわかれていて、合間合間の休憩で息抜きに読むのが合っていそうな作品。
自分は現在、読書欲にまみれてるので、一気に読みたいのに、区切りが多くて、いちいち休憩が取りたくなって・・・。
現在の自分にとっては非常に読みづらい作品でもありました。
というか一気に読むのがあっていない作品というのが正しいかな。
章で区切れるごとに、性質が全く違うものが入り混じります。
過去がたり、真面目な憧れや生活、完全な空想、印象だけを切り取っただけのもの。
一気に読んだのもあって、自分が何を読んでいるのかクラクラするような感覚に陥ってしまったよね。
でも、又吉という主軸がぶれないので、
自信のない自分。
でも自信のある知識。
けど芸人としての正しさを求める自分。
作品の構成的にも、いろいろな書き方をすることで全体のバランスをとってるような印象がすごいありました。
ファニーになりすぎず、真面目になりすぎず、でもちょっとセンスあるなって思われたいなみたいな。
でも、それがバレる・・・っていう言い方はちがうけど勝手に解った気になられるのも嫌だなみたいな。
そんな匂いがした気がしたんだ。
あとは、自分の匂いが染み付いてる土地の話を薄めにようと、小説家の土地であったり、先輩が住む土地であったり、いろいろな土地を出してる感じもしたかも。
好きなものの話はしたいけど、自分の話は気恥ずかしいなみたいな。
でも、ネタを解説するように、読者を信じてなくて、コレは実はコレはこうでねって知識部分では補足してしまうのが自信が垣間見えるのもおかしかった。
結果読み終わったあと、自分の話はそんなに多かった気はしないのにすごく赤裸々なエッセイだなって印象でした。