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【読書感想】かがみの孤城【ネタバレなし】
総括
「かがみの孤城」読了。
素晴らしい物語だった。
中盤までは、やわらかくも心がざわつくようなザラついた読み心地。
ただ、主人公たちの進む一歩、そして孤城の謎が上手くからまって推進力を増していく。
そして、最後の展開で自分は涙をこぼしてしまったよ。
すごく良く出来た作品でした。
あらすじ等
今作は、辻村深月が書いた作品。
部屋に閉じこもっていた中学生の少女。
ある日、鏡が光だして、鏡をくぐると不思議な城につながっていた。
自分を含め7人が集められ、期限は1年。
隠された鍵を見つければ、どんな願いも叶えてくれると告げられる。
そんな感じ。
感想
辻村深月さんの「傲慢と善良」があまりにすごすぎたので、他にも読んでみようということで今作を読みました。
いやぁ面白かったね。
ジュブナイル物として非常に良質。
イマドキな話題っぽさがありつつも、普遍的な問題をしっかり扱っている上に、少年・少女たちの苦悩、葛藤。
ほんとうに、心がざわつくような描写がすごいんだよ。
主人公に訪れる、プレッシャーや恐怖。想像しただけでも肝が冷えるけれど、他人事ではなくて、共感するようなこの視点を描けるのはすごすぎる・・・。
でも、辛いだけじゃなくて、孤城という場の影響とキャラクターたちの成長もしっかり描くから、少年少女たちを応援したくなる気持ちであふれるのよ。
そして、そこにできの良いミステリまで交じるんだからずーっと楽しかった。
キャラクターたちが、どの子も魅力的であるからこその、最終盤では思い入れが強くなっていて涙をこぼしてしまったよね。
色んな感情を引き出されながらも、最後は良いもの見れたなという気持ちにさせてくれる素晴らしい小説でした。
それこそ、中高生とかに読んでもらいたい小説かもしれんね。
辻村深月さんの作品は引き続き他の作品も読んでいこうと思います。
面白かった~!