好きな人の好きな人は私じゃない
私には好きな人がいる。
彼は私よりも少し背が高くて、やや伸びた黒い髪をかき上げながら私と目を合わせる。
少し焼けた黒い肌と目の下の黒子が色っぽく、そのにやけたような笑顔は私をさらに惹きつける。
午前2時
私たちはお酒を飲んで意識が朦朧とした中、話をしている。
部屋の中に充満する煙はバニラのような甘い匂いを漂わせて私たちの関係性を濁す。
「死にたいと思ったことはあるか」私の質問に彼は
「ある」と答えた。
何故かは聞かないが、代わりに「どうしたの?」と聞いた。
「首を吊ろうとし