【ショートショート】 『ハナ二次会』
全国に広まる花粉症サークルの間で、ハナバーでのサクションパーティーが流行っていた。
ある日ロウトが何度目かのパーティーに参加していると
「二次会に招いてあげようか。会員制ハナクラブがあるんだ」
ついていくと、クラブのカテーテルは特別なもので、副鼻腔内を吸引できるのであった。
「すごい!」
「病みつきだろ」
「病みつき? ここまで吸ったら、もう吸わなくていいんじゃ?」
先輩はニヤリと笑った。
後に、副鼻腔の吸引は依存性が高く、違法なのだと知った。ハナ二次会から抜け出せなくなったロウトは先輩に相談した。
「三次会もあるぜ。俺は気が進まないがな」
「助けてください。ここに来れば、二次会依存から抜け出せると聞きました」
「おかけなさい」
術衣を来た男が、ロウトの鼻から黄色い体液を吸引した。
「うわ! 吸いたいという気持ちがなくなった。どうやったんですか?」
「なあに、欲望に関する脳の中枢を吸い出したんですよ」
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