【ショートショート】 『洞窟の奥はお子様ランチ』(冒険小説風)
小隊が探検していた前人未到の洞窟は上下にうねっていた。途中洪水に襲われ、来た道が水没した。救援は来なかった。
幸い大怪我をしたものもない。別の出口を求め彼らは奥に進んだ。
だが、行き止まった。そこには…
お子様ランチが人数分あった。
悪質なドッキリとも思われたが手が混みすぎている。相談の上、くじで選ばれた隊員がそれに手をつけた。
「うまい」
飢えをしのぐことができた。
食べ終わると皿が消え、腹がすく頃にまたお子様ランチが現れた。
隊長は思った。もしかすると水害は、地球規模であったのではないか? 地下にいた我々はたまたま生き残ったのだ。そんな我々を見守る、高度な文明を持つ異星人かなにかがいるのかもしれない。
だが、それならなぜお子様ランチなのだ?
そう思った矢先、お子様ランチに飽きかけていた一同が歓喜の声を挙げていた。
目の前には、ハッピーセットがあった。
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