七人の盗賊
七人兄弟の盗賊がいた。
一郎は泥棒にふさわしく、すばやい。いの一番の一郎。
二郎は怪しまれても言い逃れがうまい。逃げ口上の二郎。
三郎はしっかりもの。冷静に展開を読むのが得意。先読みの三郎。
四郎はおっちょこちょい。足を引っ張る。しくじりの四郎。
五郎は力自慢。筋肉ですべてを解決。剛腕の五郎。
六郎は器用で乙。楽器をかき鳴らしながら鍵を開ける。ロックな六郎。
七郎だけ皆と似ていない。いじめられている。泣きの七郎。
大店に忍び込む。五郎が豪快に扉を壊す。
中にあった金庫を、六郎が開ける。
四郎がけつまづき、大きな音がなる。警報機だ。
一郎が真っ先に逃げる。
三郎は読んでいた。彼の計画通り、
四郎が通行人を装い、「盗人はあちらに逃げた」と警察に言う。
その間にみんなは悠々と金を運び出す。もちろん一郎も逃げ切る。
金は山分け。
でも七郎の分け前はナシ。
泣いた七郎は警察にアジトを知らせる。
一郎も捕まる。
二郎も捕まる。
三郎も捕まり
四郎も捕まる。
五郎も捕まって
六郎も捕まり
七郎はすべての金を手に入れた。
血の繋がっていない七郎。盗人の王様、七変化。