【詩】 お気に入りの赤
何かわからんけど
何か文字を書きたくなる
このお気に入りの赤いボールペン
昔どっかでもらったものだ
この書き心地が 他のどのペンより好きだった
替え芯不可のペンだから
インク使い切ったらどうしようと思って
大事にし過ぎてペンケースにしまいっぱなし
するとこのコもヘソを曲げて
久々使うとインク出さない
書けなくなってるこのペンを
口に含んで温め湿気を加えたりして
機嫌取る取る
したらこのコも機嫌を治して
しっとりジューシーなインク
したたらせてくれる
彼女の滑らかな書き心地には
新しく買った他のペンは かないやしない
もっとずっとね
君と楽しんでいたいな
――***――
今 わかった
確認した
君の芯が 入れ替え可能だってこと
嬉しい
ただ、懸念は
入れ替えたインクが果たして君のように
こんな風に滑らかでジューシーであるかどうか
わからないことだ
今度 文具売り場で探してみるよ
君に匹敵する 君の跡を担えるような
替え芯が存在するか
買ってきて 試してみるつもりだ
書けば書くほど 愛が増してくるよ
これでまた ひとつ生きる楽しみが増えた気がする
ありがとう 私の書きたい欲を満たしてくれて
ありがとう 私の書く時間を豊かにしてくれて
愛してるよ