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4.アルテミスが導いている

マグダラのマリアの洞窟のことを調べていたら、同じサント=ボームに存在する「卵の洞窟」という情報がやってきた。
以前マグダラのマリアの洞窟を訪ねた人が、その時は「卵の洞窟」のことを知らなかったといってわざわざそのためにサント=ボームを再訪しているのだ。

「卵の洞窟」ってなんだろう?
ググっても、日本語ではその方のnoteしかヒットしない。英語でもダメだ。ならばとフランス語で試すと、いくつかの情報を得ることができた。

その洞窟はとても不思議なパワーを秘めた神秘的な場所で、入り口が女性器の形をしており、「ヨニ洞窟」という別名がある。中は常に濡れていて、ヌルヌルと滑りやすい。元々は豊穣の女神アルテミスの聖域で、妊娠を望む女性が参拝に訪れ、卵を奉納していたらしい。

アルテミス…?

まさかサント=ボームでアルテミスの名を聞くとは思っていなかった。
そして私がそこへ行く日は満月。

超常現象を伴う私の覚醒体験は、2009年6月の満月の日が始まりで、以来、旅で迎える満月の日、私はどこにいるのか、ということをいつも意識していた。ちなみにその対となる2回目の超常現象を体験したのは、アルテミスの島、エーゲ海のレロス島に着いた最初の夜だった。アルテミスとは何かと絡みが多いのだ。

しかし、なぜこの地でアルテミスなのか?
調べてみると、アルテミス信仰が盛んだったトルコのエフェソスから、ここマルセイユを経由してローマに渡り、ローマ神話のディアナとなったらしい。ここではやがてカソリックに取って代わられ、アルテミス信仰は廃れて行ったが、マルセイユがアルテミスと深いつながりがあったことに間違いはないようだ。

その時私の頭の中で、ギリシャのアルテミス自然保護区にあるヴラヴロナとフランスの野生動物の楽園といわれるカマルグが結びついた。どちらも湿地帯で、ヴラヴロナもかつては野鳥たちの楽園だったようで、ボタンを押すとその鳥の鳴き声を聞くことができたであろうボードが、朽ち果てた状態で放置されていたのを覚えている。
私は確信した。
カマルグ(サント=マリー=ド=ラ=メール)はアルテミスの聖域だ。

アルテミスは月と狩猟の女神として知られているが、もともとは女性と子供と動物たちの守護神だ。櫂も帆もない船で漂っていたマグダラのマリアたちは、アルテミスに導かれ、その聖域であるカマルグに漂着したのだ。その後マグダラのマリアがひとりでサントボームの洞窟に向かったのもアルテミスの導きに違いない。

空海が丹生都比売様に導かれたように。

女神って時々そういうことをする。

さらに調べていると、マルセイユの旧港にあるサン・ジャン要塞の近く、サンローランの丘の下から、アルテミス神殿のものと思われる遺跡が発掘されていることがわかった。

最終日、マルセイユで行くべき場所が示された。

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