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社交不安障害がくれた宝物。不器用な私が見つけた、本当の絆

人前に立つと、

まるで自分が

透明人間になったみたいだった。


声は震え、手は汗でびっしょり、

言いたいことは頭から吹き飛ぶ。


そう、私は極度のあがり症、

社交不安障害にずっと悩まされてきた。

社会人になっても、

この悩みは消えなかった。


会議での発言、

取引先との交渉、

人前でのプレゼン…

どれもが苦痛だった。


「このままではいけない」と思い、

私は思い切って

コミュニケーション講座に

参加することにした。


しかし、初日から

大きな壁にぶつかった。


講座では、

参加者同士で自己紹介をしたり、

ペアワークをしたりする場面が

多くあったのだ。


他の参加者が

スムーズに自己紹介をする中、

私は緊張で声が上ずり、

しどろもどろ。

ペアワークでは

相手の目を見ることすらできず、

会話は全く弾まなかった。


恥ずかしさと情けなさで、

その場から逃げ出したかった。


休憩時間、私は一人、

会場の隅でうなだれていた。


そんな私に、

「大丈夫ですか?」

と声をかけてくれたのが、

同じく参加者のAさんだった。


「実は私も、人前で話すのがすごく苦手で…。」

「さっきの自己紹介、すごく緊張しましたよね」

と、Aさんは優しく微笑んだ。


なんと、Aさんもまた、

社交不安障害に悩んでいたのだ。


その日をきっかけに、

私とAさんは、

講座の合間や終了後に、

お互いの悩みを打ち明け、

励まし合うようになった。


一緒にいる時は、

不思議とリラックスして

話すことができた。


社交不安障害という

共通の「敵」がいることで、

私たちは本当の意味で心を開き、

深く繋がることができたのだ。

コミュニケーション講座は、

私に「話す技術」だけでなく、

かけがえのない友情を与えてくれた。


社交不安障害は、

今でも私を苦しめる。


でも、あの経験があったからこそ、

私は本当の絆、

そして人の優しさに

気づくことができた。


不器用で、

臆病な私だけど、

それでもいい。


この経験は、

私にとってかけがえのない宝物。


だから、もし今、

あなたが同じような悩みを抱えていても、

どうか自分を責めないで。


きっとあなたにも、

理解し、支えてくれる人がいるはず。

ゆっくりと、

一歩ずつでいい。


あなたらしく輝ける場所が、

必ず見つかるのだから。

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