『CMと DM(仮)』4
一口5千円の支援は心強くてね。大手各社全てのサービスに、ほとんど自動で対応できる。やることといえば、本当にアカウントづくりだけとう感じかな。良いものができたと思っている。ありがとう」
デュアルスクリーンをマウスで動かしながら説明する熊谷の話を聞いていて、心が躍るという感じよりも、いかにもグレーゾーンな胡散臭いことに自分は手を出しているという、不安感のほうがゆっくりと胸に広がる感じがあり、それが少し以外だった。
「各種、昨日はついてはオン、オフは可能だけど、プロフィールの作成やマッチングした後のメール返信も対話型AIの技術を応用して実装しているから、自動でやってくれるよ」
結局のところ、女性のプロフィールなんて読まず、出てきた情報と写真の下にある「いいね」ボタンを、上限までタップし続ける男性が一定数いるのではないか。自分もそのうちの一人だった。基本的に女性のみから料金を徴収する大手マッチング・アプリの性質上、
男性が、女性に「いいね!」を送れる数には上限がある。男性ユーザーは自分が「いいね!」と思ったときに親指を立てるアイコンを送信すればそれでよいわけではなく、あらかじめ「いいね!」という概念を買う必要があるのだ。限りある「いいね!」をなぜ、むげに消費するような使い方をするかといえば、女性がもらえる「いいね!」の数と男性がもらえる「いいね!」の数に圧倒的な格差があるからだ。