見出し画像

来てくださって、ありがとうございます。このコーナーでは、より伝わる文章を作るための編集の基本について、できるだけ具体的な方法やコツを盛り込みながら解説していきます。
前回の記事で、伝わりやすい文章を作るためには、書いたあとに「初めて読むつもりで読む」ことが大事であり、そのためのコツを紹介しました。
今回は、初めて読むつもりで読んだときに、具体的に何をすべきかを解説します。


「下手な文章」って?

初めて読んだつもりで読むときにすべきことは、「違和感」をピックアップすることです。具体的には、一瞬、意味がわからなくて読み返した場所、一瞬「ん?」となった場所をすべてモレなく、ピックアップします。

意外と気づいていないのですが、私たちは読みながら頭の中で、前に出てきた言葉や文章と現在読んでいる言葉や文章を、照らし合わせたり、言葉を抜き出したりしながら、意味をつなぎ合わせて読んでいます。

下手な文章とは、この照らし合わせや抜き出しが、頭の中でスムーズに進まない文章です。読んでいる人は、前の文とうまく照らし合わせができないので文章の意味がわからなくなってしまいます。

ちょっとでも「読み返した」ら、そこです!

このように、頭の中での照らし合わせがうまくいかない文章を、言葉や文を入れ替えたり、言葉を付け加えたり削ったりして、照らし合わせがスムーズにいくよう調整していくのが編集です。

そのため、繰り返しになりますが、読み返したり、読むスピードをいったん緩めたりしたカ所=違和感を感じたカ所をピックアップすることが、とても、とても、とても大切になるのです。

では、どうしたら、違和感をピックアップできるのでしょうか?
それはそこまで難しくはありません。自分を注意深く観察してみましょう。意識すれば、違和感を感じたときに、ちゃんと気づくことができます。

読み返したり、読むスピードをいったん緩めたりしたら、そこに印をつけます。印のつけ方はなんでもOK。できるだけ簡単な方法がよいです。

とりあえず、最後まで読もう

違和感をピックアップするために読む際には、できるだけ立ち止まらずに、最後まで読み進めるのが大事です。
途中であれこれ修正を始めてしまうと、ハマってしまいます。時間をかけて修正をしても、後のほうを読んだら整合性が取れなくなるといったことはよくあります。
編集をするために初めて読むときには、最後までスピード感を持って読んでいくのを基本としましょう。

簡単に修正できないカ所は、修正途中で放置してOK

慣れてくると、違和感をピックアップしながら、ある程度は修正しながら読み進めていくことになります。
特に、ちょっとした誤字脱字や「てにおは」の修正は、初見で修正することも可能でしょう。
ただ、本格的に意味が分からないカ所や、前に戻って確実に照らし合わせをしたいカ所は、簡単には修正できません。

その場合は、修正途中のまま放置したり、コメントをつけたりして先に進みます。

こういったカ所は、あとからじっくり考えて修正していけばよいからです。どちらにしても一読しただけで完璧に修正することはできないので、まずは読了し、違和感のピックアップを最後まで終えるほうが効率的です。

まとめと次回の予告(と、お詫び)

今回も、最後まで読んでくださってありがとうございます。
ここまで来て何なのですが、次回は「初めて読むつもりで読む」際に、一番最初にやったほうがいいかも、といった編集作業について整理したいと思います。それは「構成」について整理する工程です。

前回と今回の記事を、まるで「編集はこの順番で進めて!」みたいな雰囲気で書いてしまったので、何とも心苦しいのですが……
多分、「初めて読むつもりで読む」ときには、最初に構成を確認する、その方法を具体的に解説!としたほうが、読んでいる方々からすると理解しやすかったなと、ここまで来て気づいたのです、すみません。

実際には、同時並行的な工程なのかなとも思います(やや言い訳)。
いずれにしても、どちらも必要なことではありますので、次回は「構成の整理の具体的方法」をテーマに書きたいと思います。
ではでは、ここまでありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。


いいなと思ったら応援しよう!