フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル どんな薬?【医師監修】
AGA(男性型脱毛症)の治療薬として最も有名な3つのお薬についてお伝えします。
①フィナステリド【進行抑制薬】
進行抑制薬、抜け毛を抑える薬。
AGA(男性型脱毛症)の根本治療薬。
もともと前立腺肥大や前立腺がんの治療に使用されていた薬です。薬の治療過程で、毛髪の成長がみられることが確認でき、1997年にAGA(男性型脱毛症)の治療薬として日本で認可されました。
フィナステリドはテストステロンと5αリダクターゼ還元酵素の結合を阻害し、AGA(男性型脱毛症)の直接的な要因となるDHTの生成を抑制します。
この薬は脱毛を阻害するもので、発毛を目的とした薬ではありません。
②デュタステリド【進行抑制薬】
進行抑制薬、抜け毛を抑える薬。
AGA(男性型脱毛症)の根本治療薬。
フィナステリドよりも効果が高い。
2015年9月、進行抑制薬としてフィナステリドよりも強力なデュタステリドが認可されました。
現在はデュタステリドがAGAの第一選択薬として処方されることが多くなりました。
デュタステリドはテストステロンと5αリダクターゼ還元酵素の結合を阻害し、AGA(男性型脱毛症)直接的な要因となるDHTの生成を抑制します。
この薬は脱毛を阻害するもので、発毛を目的とした薬ではありません。
③ミノキシジル【発毛薬】
発毛薬。
もともと高血圧の血管拡張薬として使用されていた薬です。薬の治療過程で、副作用として発毛効果が認められ脱毛治療薬として認知され始めました。
ミノキシジルには、外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)の2種類があります。
当院では、内服タイプのミノキシジルを採用しAGAの改善に取り組んでいます。
理由は、内服タイプの方が外用(塗り薬)タイプよりも圧倒的に高い発毛効果が期待できるためです。
ミノキシジルは厚生労働省によって発毛効果を認められた有効成分ですが、現段階では国内で正式に認可されているのは外用薬(塗り薬)タイプのみです。
内服タイプは循環器系の副作用の可能性がある為、国内での認可に至っておりません。
当院では、患者様の既往歴などを聞き取り、副作用リスクを考慮した上で、一人ひとりに合わせた濃度を処方しています。
フィナステリドやデュタステリドのみでの治療にミノキシジルをプラスすることで、更に発毛効果を実感できる為、日常でのストレスや髪に対する不安感を解消できる良いお薬です。
④まとめ
AGA(男性型脱毛症)の治療にはフィナステリド・デュタステリドのどちらかを服用した上で、ミノキシジルをプラスする方法が一般的です。
フィナステリド・デュタステリドのどちらか一つで治療した場合には、進行は抑えられるものの発毛の実感が持ちにくく、モチベーションが上がらない場合があります。
対してミノキシジルのみで治療した場合には、一時発毛を実感できるものの、進行を抑制できず抜け毛の量は変わりません。最終的には進行が勝ってしまい毛量がダウンしていく可能性が高いです。
双方の役割をうまく取り入れて、正しい治療方法で進めることが大切です。
ご紹介した3つのお薬は1日に1錠ずつの服用が基本です。
飲むタイミングに規定はありませんが、24時間毎に1回服用することでより高い効果を実感いただけます。
飲み合わせに関しては、診察時に既往歴や服用中のお薬をお伺いし確認させていただきます。
【監修医師】 鈴木 沙織
2014年3月 東京医科大学卒業
2014年4月 都内総合病院にて初期臨床研修開始
2016年4月 大学病院外科入局
2016年4月 大手AGA専門クリニックで勤務開始
2020年4月 都内総合病院勤務
オンライン専門クリニックを開院、現在に至る。