ふぉれすとどわあふ③ 三羽さんの企画
ふぉれすとどわあふ ひとり気を吐いております
どうぞ、ごいっしょに♫
Keiさんのお話に続きます
どうやらケイっていう小さな動物が、仲間になりたがっています
テーマは・・・
誰かケイに声をかけて下さい
仲間に入れて下さい
わたしを見つけて下さいにゃ
ふぉれすとどわあふにやってきた 【521字】
深い深いどわあふの森に珍しい風が吹きました。
風は枝を揺らし、木の葉を踊らせ、枯れ葉を舞い上げます。
そして風はうずくまる者に近づきました。
「行きなさい。そのまま、あなたが行きたいことろに行きなさい。心配しないで行きなさい」
ケイはあたりを見回しましたが、誰もいません。でもたしかに聞こえました。
体をフルフルっと震わせて、ケイは灯りの方へ歩いて行きました。
近寄るとドアがスッと開きました。
「いらっしゃいませ、子猫さん。お名前は?」
「ケイ」
何故だか言葉が話せます。
「街からやってきました」
「そう、街の子なんだね」クマさんが言いました。
「あ、クマさん。私、悪いことしてないよ」
あはははははははははははー
みんなが大きな声で笑いました。ケイもつられていっしょに笑いました。
「そんなことは知ってるさ。お腹すいてるだろ?」
クマさんが差し出したのは見たこともない奇妙な形のものでした。香ばしいいい匂いがして、ケイはかぶりつきました。
「おいしい。これ、おいしい。なんという食べ物ですか?」
「お餅って言うのよ。もっと食べてね。たくさんあるから」
ミユはにっこり笑いかけます。
思い返しても、前にいつご飯を食べたのか思い出せません。
かぶりついたお餅に雫がひとつ、落ちました。