見た目 毎週ショートショートnote
係長はいつも遅刻してくる。チョコレートが溶けたような顔をしていつも10分。
それを取り戻そうとする姿勢も伺えない。だいたい姿勢が悪いの。ちょっと猫背で。
そんな私の気持ちを察してか、課長が声をかけてくれた。ここはそんなことで目くじらを立てるはしたない女ではないことを示すために、何もないふりをした。
でもたぶん顔に出てしまってるのよね。きっと係長を鼠のように見ていたはずだから。
仕事終わりに憧れの課長に誘われて食事に行った。それからバーへ。私はいいの。その先どうなっても、課長となら。だって大人ですもの。
課長は素晴らしい方。私の不満をズバリ言い当てたわ。係長の遅刻の件だって。
で、どうしたいの?って言われても私には何もなかった。でも課長は食い下がってきたの。お酒も手伝って、私は叫んでた。
訓告したいの四六時中
聞くところによると係長は仕事を持ち帰っているらしい。お子さんを幼稚園に送っていくからどうしてもあの時間になるのだとか。
410字
たらはかに さま
裏お題もよろしくお願いします。
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