ふぉれすとどわあふ⑧ 三羽さんの企画
そろそろ魔女と会いたいですね!
テーマは①魔女退治の作戦会議 (ヤバ猫さんと同じ)
魔女っていったい 【657字】
「シドニーとヨークがいない今、動けるのはおそらくあなたと私だけです。クマさん」
旅人がそう言うと、クマさんはうん、と頷いた。
「全くあっちの状況がわからない。とにかく行ってみないと何も始まらないと思うんです」
クマさんはまたうん、と頷いた。そして言った。
「では、行きましょう。そして可能なら、あの二人と一緒に戦いましょう」
「いや、今回は情報を集めるだけ。そしてあの二人を連れて帰ることにしましょう」
ミユの雑貨店に帰ってきたケイはひとり、ダークフォレストの魔女のことが気になって仕方ない。
旅人さんの話を聞いて、いたたまれなくなっていた。
できるなら魔女をやっつけて、それは無理でも薬草の書は取り返したい。
そんな思いが胸から溢れて止まらなかった。
「ミユさん、今薬草の書はどこにありますか?」
ケイが訊くとミユは温かな微笑みを向ける。ケイはそれだけで胸のざわつきが収まった。
「それがね、おもしろいのよ。薬草の書はずっとここにあるの。このお店に。でも時代はずっと昔、まだ私たちの知らない昔にね。たぶんこんなお家はなくて、ただの森だと思うの。でも場所はここなのよ」
「シドニーさんたちは?」
「それはわからないわ、私にも。でもね、まだちゃんと生きてる。そんな気がするの」
「うん、わたしもそんな気がする」
ミユはケイを抱き上げて、頭をゆっくり撫でた。
「いい?ケイ。もしかしたらこれからのことは、あなた次第かもしれない。どうかやさしい心を忘れないで」
ドアのベルが鳴って、クマさんと旅人が入ってきた。
「ダークフォレストに行くぞ」クマさんが言った。