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[遊戯王 マスターデュエル]テーマ「カラクリ」について(前編)
当ノートでは「遊戯王 マスターデュエル(MD)」に実装されているテーマ「カラクリ」について解説します。
新規テーマ「白き森」が実装されたり、《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を始めとする禁止・制限カード計6種が無制限に緩和された2024年12月06日のアップデート直後環境を想定した内容になっています。
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文量の都合から、ノートを「前編」と「後編」の2つに分けています。解説のほとんどは前編で行っており、後編には具体的な展開例をまとめています。
当ノートは前編です。
概要
テーマ「カラクリ」は、「遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ(OCG)」においては2010年07月17日発売の基本パック「遊戯王ファイブディーズ オフィシャルカードゲーム STARSTRIKE BLAST」で実装されました。
OCG・MDともに以下カードが実装されています。
ところで、OCG・MDに実装されているカードのなかに《カラクリ蜘蛛》というモンスターがいます。カテゴリ・種族・属性は「カラクリ」なのですが、命名規則・イラスト・効果・実装日付は「カラクリ」と関係ないので、当ノートではテーマ内カードとして扱いません。
メインモンスター
《カラクリ蝦蟇 四六弐四》
《カラクリ商人 壱七七》
《カラクリ樽 真九六》
《カラクリ参謀 弐四八》
《カラクリ忍者 参参九》
《カラクリ小町 弐弐四》
《カラクリ兵 弐参六》
《カラクリ武者 六参壱八》
《カラクリ守衛 参壱参》
《カラクリ忍者 九壱九》
《カラクリ無双 八壱八》
《カラクリ忍者 七七四九》
《カラクリ法師 九七六参》
シンクロモンスター
《カラクリ将軍 無零》
《カラクリ大将軍 無零怒》
《カラクリ大権現 無零武》
通常魔法
《借カラクリ蔵》
装備魔法
《カラクリ蝦蟇油》
フィールド魔法
《風雲カラクリ城》
永続魔法
《カラクリ解体新書》
速攻魔法
《黄金の歯車装置箱》
《カラクリ粉》
《カラクリ大暴走》
通常罠
《カラクリ屋敷》
《時限カラクリ爆弾》
《借カラクリ旅籠蔵》
カウンター罠
《借カラクリ整備蔵》
特徴
テーマ「カラクリ」の特徴、および基本的な動かし方を解説します。
機械族・地属性モンスターで統一
「カラクリ」モンスターはいずれも機械族・地属性で統一されています。
シンクロテーマ
EXモンスター3種がいずれもシンクロモンスターであるシンクロテーマです。
メインモンスターも13種のうち5種類がチューナーとなっています。
攻撃を強制
「カラクリ」メインモンスターは「このカードが攻撃可能な場合には攻撃しなければならない」という効果を共通して持っています。
「カラクリ」メインモンスターの攻撃力は高くないうえ、そもそも攻撃を強制されるのは良い効果とはいいがたいので明確にデメリット効果です。
EXモンスターには攻撃強制効果はありません。
攻撃されると表示形式が変更される
「カラクリ」メインモンスターは攻撃されると表示形式が強制的に変わる効果をもっています。厳密には攻撃表示時に発動するタイプ(つまり攻撃されると守備表示になるタイプ)と、表示形式に関係なく発動するタイプの2種類があります。
悪い効果ではありませんが良い効果とも評しがたい、なんとも微妙な効果です。表示形式が変更された時・場合に発動できるカードもありますが、わざわざ採用する価値があるカードは多くありません。
攻撃強制効果と同様に「カラクリ」EXモンスターにこの効果はありません。
シンクロ召喚すると「カラクリ」モンスターをリクルート
「カラクリ」シンクロモンスターは、シンクロ召喚するとデッキから「カラクリ」モンスターを特殊召喚する効果を共通して持っています。
この効果にはターン1名称制約がないため、複数枚出すことができればそのたびにリクルートできます。具体的には《シンクロキャンセル》というカードとの相性が抜群です。
「カラクリ」というテーマはこの効果を使って展開を伸ばすようにデザインされており、とにもかくにも「カラクリ」シンクロモンスターへとつなげることが肝心です。
メインモンスター・魔法・罠は低性能
「カラクリ」シンクロモンスターが優秀な反面、その他カードの性能は低いのが問題です。いちおう展開・無効・除去と、一通り効果は揃っているのですが基本的なスペックが低くて現環境に付いていけません。
なかでも初動が細い……というか、相手から妨害されたときのリカバリが極端に難しいのが欠点ですね。
あと、初動に使えるカードと展開を伸ばすためのカードがキッチリ分かれているので応用が利かない(小回りが利かない?)ところもあります。
《カラクリ商人 壱七七》と《カラクリ法師 九七六参》で《カラクリ将軍 無零》をシンクロ召喚できるかどうか
表題のとおりです。これが「カラクリ」の初動であり、この動きを通せるかどうかにすべてがかかっていると言っても過言ではありません。
テーマ内カード
テーマ内カードについて解説します。効果を読めばわかるようなことには触れず、実際に触ってみて気づいたことなどを中心に解説します。
「カラクリ」に属するカードは27種類と多いうえに、現代環境だと使えるカードが多くないので、有用なカードに絞って解説します。
《カラクリ蝦蟇 四六弐四》
「カラクリ」シンクロモンスターからリクルートすることで、効果を使った「カラクリ」シンクロモンスターとともにレベルが1つ上の「カラクリ」シンクロモンスターへとつなげる役目です。
あと、効果③を利用してフリーチェーンで表示形式を変更できるのが何かと便利です。
初動にはなりませんが「カラクリ」シンクロモンスターによる連続展開のために3積みが基本です。どうしても減らしたいばあいは2積みでもよいですが1枚でも素引きすると十分に展開できない危険性があります。
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《カラクリ商人 壱七七》
効果①で《カラクリ法師 九七六参》をサーチし、そのモンスターとともに《カラクリ将軍 無零》へとつなげることができます。「カラクリ」では希少な初動札です。
当然3積みです。
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《カラクリ小町 弐弐四》
手札にレベル4「カラクリ」非チューナーモンスターがあれば、当モンスターともに《カラクリ将軍 無零》へとつなげることができるので初動札になります。
あるいは《カラクリ商人 壱七七》とともに引けていれば《カラクリ商人 壱七七》1枚から始動するコンボよりも強固な盤面を築くことができます。
このようにいろいろな使い道がある便利なカードではあるのですが、前者のばあいはレベル4「カラクリ」非チューナーモンスターという役立たずを採用しなければならず、後者は《カラクリ商人 壱七七》の効果①が通らないとまともな展開にならないという欠点があります。
とはいえ、わざわざ「カラクリ」を使うならば3積みして運用したいですね。
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《カラクリ法師 九七六参》
《カラクリ商人 壱七七》と組み合わせることで真価を発揮する優秀なモンスターです。
あるいはレベル3・レベル4の「カラクリ」非チューナーモンスターと組み合わせてレベル8シンクロモンスターのシンクロ素材にするのもよいですが、それらモンスターのなかに優秀なカードが1枚もないので、やはり《カラクリ商人 壱七七》と組み合わせるのが無難です。
1枚入れておけば《カラクリ商人 壱七七》の効果①でサーチして利用できます。ただ、サーチを《灰流うらら》などで妨害されたときのために2枚・3枚と入れて素引き確率を上げておくのも良いです。
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「カラクリ」シンクロモンスター
共通効果で、シンクロ召喚したときにデッキから「カラクリ」モンスターを特殊召喚できます。この効果を利用して「カラクリ」モンスターを展開していきます。
共通効果とは別に固有効果もあり、それらを踏まえると以下のように評価できます。
《カラクリ将軍 無零》
《カラクリ商人 壱七七》1枚で出すことができるため、ほとんのばあい「カラクリ」展開の起点となる
反面、固有効果自体はショボいので出さずに済むならば出したくないし、EXデッキにも入れたくない
《カラクリ大将軍 無零怒》
ドロー効果は便利だがなくても困らない
《カラクリ将軍 無零》ほどではないが、あまり出したくない・入れたくないカード
《カラクリ大権現 無零武》
効果③がけっこう強い
着地点として優秀
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《借カラクリ蔵》
《カラクリ小町 弐弐四》と組み合わせることでレベル5~7のシンクロモンスターへ繋げることができます。逆に言うと、それ以外の「カラクリ」モンスターを対象として発動しても特に初動になりません。
採用枚数はお好みでどうぞ。非採用でも良いです。
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《カラクリ屋敷》
《カラクリ蝦蟇 四六弐四》《カラクリ大権現 無零武》と組み合わせることで、フリーチェーンで破壊・除外を飛ばせるのは強いです。永続罠だったら、もっと良かったですね。
非採用でもよいですが《カラクリ商人 壱七七》でサーチできるので1枚入れておくのもアリです。
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《借カラクリ整備蔵》
弱いカードではないのですが墓地効果が欲しいところです。
非採用でもよいですが《カラクリ商人 壱七七》でサーチできるので1枚入れておくのもアリです。
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関連テーマ・カード
「カラクリ」と相性が良い、あるいは相性が良いように見えて意外とそうでもないテーマやカードを紹介します。
《ドロール&ロックバード》
「カラクリ」はサーチすることがほとんどないので、こちらの動きを阻害しせず相性が良いです。
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《セリオンズ“キング”レギュラス》
展開が通れば墓地に機械族モンスターが貯まるので出しやすいです。展開を妨害されたときのために「カラクリ」モンスターを墓地に送ることができる《転生炎獣アルミラージ》も併せて採用しましょう。
「カラクリ」では希少な効果無効要員です。
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《超重天神マスラ-O》
展開の都合で出しやすいです。
「カラクリ」は手札が余りやすいので効果③はあまり有効に使えません。
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《シンクロキャンセル》
「カラクリ」シンクロモンスターの共通効果を再利用できるのは強いですが、そもそも「カラクリ」シンクロモンスターを出せなければ使えない点は忘れてはいけません。
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《超融合》
「カラクリ」は手札が余りやすいうえ、EXデッキの必要枠も少ないので《超融合》との相性は抜群です。
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構築例
「カラクリ」系アーキタイプの構築例を掲載します。
【純カラクリ】
《カラクリ商人 壱七七》と《カラクリ法師 九七六参》で《カラクリ将軍 無零》を立てるところから始まる動きを再現しやすいように調整した純構築です。
当初は《カラクリ商人 壱七七》が引けなかったときのために《カラクリ小町 弐弐四》とレベル4「カラクリ」非チューナーモンスターをそれぞれ3積みしたりしていましたが、回しているうちにこの構成に落ち着きました。
いろいろカードを積み込んでいるうちにメインデッキの枠が40枚を越えたので《灰流うらら》を抜いて、代わりに《ドロール&ロックバード》を3積みしています。
手癖で《増殖するG》を3積みしていますが、「カラクリ」は手札にカードが多くても貫通札になったりしないので代わりに手札誘発や捲り札に置き換えても良さそうです。
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総評
デザインがかっこよく、効果も独特なので面白いテーマだとは思うのですが「天盃龍」環境ではさすがにパワー不足ですね。
最後に強化が入ったのが2019年10月ですので、そろそろ強化が欲しいところです。
組み方にもよりますが、比較的安価に作れるテーマだと思います。皆さんもぜひ「カラクリ」を触ってみてください。