第11話「リアップ中断の代償、急激な抜け毛の再来」
リアップを使い始めてから3ヶ月間、目に見える形で髪が増えたことを実感していた。頭頂部の地肌が少しずつ隠れ、つむじ周りの髪も密度が増している。鏡を見るたびに、「これならもう少しで自信を取り戻せるかもしれない」と思えた。あの小さなボトルが、薄毛に悩む僕の最後の希望になっていた。
しかし、コロナ感染をきっかけにリアップの使用を中断したことで、事態は急速に悪化していった。
最初の数週間は特に変化を感じなかったため、「このままでも意外と大丈夫かも」とどこか楽観的に考えていた。しかし、使用を止めてから1ヶ月を過ぎた頃から、風向きが変わり始めた。枕元に抜け毛が目立つようになり、シャンプーのたびに手に絡まる髪の量が明らかに増えているのがわかった。
さらに2ヶ月が経つと、頭頂部の状態は目に見えて悪化していった。リアップを使い始める前よりも薄くなり、鏡に映る自分の姿に愕然とした。
特に頭頂部は地肌がほぼ露出してしまい、以前は隠れていた部分まで透けて見える。まるでリアップを使っていた間の成果がすべて帳消しになり、それどころか、元の状態よりもさらに進行してしまったように感じた。
「まじかよ。。こんなに早く髪が抜けるなんて…」
焦りと後悔が同時に押し寄せてきた。どうやら、リアップのような育毛剤は、一度使い始めたら中断せずに継続することが重要らしい。
途中で止めてしまうと、髪の成長が止まり、これまでの効果が失われてしまうという情報を、使用前にもっとよく調べておくべきだった。しかも、髪の状態が元に戻るだけでなく、その間に薄毛がさらに進行してしまうリスクがあることも今回の経験で痛感した。
鏡の前で自分の頭皮をじっと見つめながら、「リアップを止めるべきではなかった」と何度も後悔の念が頭をよぎる。使い続けていれば、今も髪が生え続けていたかもしれない。
それに比べて、今の頭頂部はまるで「何もしなかった未来」を見せつけられているようで、自分の判断ミスを責めずにはいられなかった。
リアップは確かに効果のある育毛剤だ。実際に使っている間、僕は髪の変化を実感し、薄毛の不安から解放される希望を持てた。しかし、その効果を維持するには、長期間の継続が必須だ。そして途中で止めてしまうリスクが、これほど大きいものだとは思いもよらなかった。
「これは、リアップを使う上での大きな落とし穴だったんだろうな…」
薄毛対策の難しさを痛感しながら、僕は次に何をすべきかを考え続けた。使用中断による抜け毛の進行を取り返すことはできるのか?そして、もう一度リアップを再開すべきなのか?迷いと不安を抱えながら、僕は再び薄毛と向き合う日々に戻っていった。
つづく。
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