悲しみはバスに乗って
良い音楽に出逢った。
誰かが出した新曲を聴いてこんなに心が震えるのは、なんだか久しぶりな感じがする。
マカロニえんぴつの、「悲しみはバスに乗って」。
夏フェスでマカロニえんぴつを初めて生で聴いた。
セットリストの中にこの曲が含まれていて、それを聴いたときから、ずっと今も、衝撃が溶けない。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114751462/picture_pc_8ddf058e930ecbd9de0c74b8c4ce06f5.png?width=1200)
「悲劇は金になるから」囁く声が聞こえる
バカ言え 誰かに売れるもんじゃない
悲劇は確かに金になる。
悲劇の労り方を、私たちは金を捧げることしか知らない。
実際のところそれ以外にないのだ。
もうなにをしても、失ったものは戻ってこない。人も時間も、失くした瞬間、解決する術はない。
悲劇は金になるという現実を私たちはありのまま受け入れてならない。
悲劇は悲劇のままだし、絶望は永遠だ。
バカってちゃんと言ってくれて良かった。
悲しみを重たく歌ってくれて嬉しかった。
バカみたいな話だ。
そんなに軽率な悲劇だったのか?
お涙頂戴の、感動物語じゃない。
単なる売買で済んだらどれだけ良かったか。
誰かに売って自分の手元からその絶望が消えるならどれだけ楽なことか。
地獄を生きる。