祈り
昼過ぎに目覚めた。
寝床に架かる日差しが暑すぎて起きた。
重たい身体を起こして水を飲む。
煙草を吸う。音楽を聴く。
君のことを考える。
携帯電話を開いても、君からの連絡はない。
昨日実家に帰ってきた。
帰る途中の電車で、前好きだった人からメールが来てた。
半年ぶりに連絡を取った。
彼と別れたあとも、何も恋愛は上手くいかなかった。恋人も出来なかった。
そっと会話の履歴を消す。
彼には会わない。
過去に好きだった人。
これから好きになる人。
全部全部大事だけど、今自分が好きな人たちをいちばん大切に守っていたい。
今好きな人のこと、ずっとだいすきでいたい。
関わる人間に、先を見ていたいと思う。
煌めいた未来を抱えていたい。
見切りをつけたくない。
これは、祈りに近い。
いつか終わりは来る。
終わりは始まりらしいけど、どうか終わらないでよ。
終わってしまったのだろうか。
きっとまた終わってしまった。
まだ、新たな始まりに思いを馳せられない。
ねえ君のこと、今日も好きだよ。
きっと明日も、来週も好きだ。
私から離れていく人のこと、無理に引き止めはしないけど、好きだったから悲しい。
そう、悲しいな。ただそれだけなのかもしれない。
小さくなってゆく背中をそっと見守る。
遊んでもいいけど忘れないでね。
もし君がいつか戻ってきたとき、わたし君のことまだ好きだったらいいな。
何も上手くいかないけど、いい加減になりたくない。自分を粗末にしない。好きじゃない人に会いたくない。
私の限られた時間は、自分の幸福のために使う。
カネコアヤノが、少しずつよくなっていけばいいね、と歌ってくれて嬉しかった。
君の帰りをいつもの椅子に腰掛けて待つので、今日も精一杯だよ。