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2024年下半期お気に入り音楽

 2024年下半期で良かった音楽作品紹介です。最近、アレンジが面白い音楽は多いけれど、メロディが印象薄くてイマイチになる楽曲が多く、そこから自分がハマる要素を抽出すると、音楽の探し方が快適になるかもしれないと気付き始めました。サブスクの大海原で好きなものを釣り上げるには、これからけっこう重要なことかもしれません。

 2024年の上期はこちらから。↓

 

『IMAGINAL DISK』/ MAGDALENA BAY

 LAのエレクトロユニットの新作で、キラキラしたシンセポップはこれまでのイメージ通りで、流行りっちゃあ流行りの音楽スタイルではありますが、全く飽きることなく聴けるんですよね。やっぱりソングライティングがしっかりしているからなんだと思います。装飾音の可愛らしさもそこそこに、芯にある曲の良さが際立つアルバム。エレクトロ歌謡曲的なM⑬「Cry for Me」とかめちゃくちゃ良い! 『ジョジョ』のホワイトスネイクをオマージュしたジャケも良い!


『IN WAVES』/JAMIE XX

 以前からTHE XXよりもソロの方が好みだとは思っていましたが、それを決定付ける傑作。すごくアグレッシブで、スタンダードなクラブカルチャーだけれども、古臭いわけでもなく、ちゃんとオタクの内省的な要素があるので、とても好みです。深夜に無理してクラブに行かなくとも、脳内フロアで充分に飛んだり跳ねたり出来ます。


『Bad Cameo』/James Blake /Lil Yatchy

 ジェイムス・ブレイクとリル・ヨッティのコラボアルバムということで、一時代を築いたソングライター/トラックメイカーと、新進気鋭のラッパー/ソングライターの組み合わせは、結構なビッグニュースだと思うんですけど、全然情報が回って来ず、聴くのがかなり遅れてしまいました。内容もよくあるコラボではなく、きちんと2人の声が溶け合うように合わさっていて、メロの良さも際立つ秀作だと思います。もうちょい騒がれてもいいと思うんですけどね。これまでのジェイムス・ブレイクのラッパー参加の楽曲とは三つ味くらい違うレベル高いものでした。


『GNX』/Kendrick Lamar

 ドレイクとの泥沼のディスり合いを経て、急遽ゲリラ方式で発表された新作。「今や世界トップのラッパーであるケンドリック・ラマーが、ダサいスキャンダル争いしている場合かよ、ガザでどんだけの人が殺されていると思ってんだよ」と冷ややかな目を持ってしまっていたのですが、正直聴いてみるとやはり一定の水準以上のヒップホップアルバムに仕上げているので流石と唸ってしまいました。SZAとのコラボ曲による美しさも良い。とはいえ、ケンドリックのキャリアの中ではちょっと小物の扱いになるかなという気もするのですが、それでこのレベルかという意味で入れておきます。


『The New Sound』/Geordie Greep

 black midiの活動休止は今年の悲しむべきニュースの1つではありますが、それを吹き飛ばすフロントマンのジョーディ・グリープによるソロデビュー作。確かにblack midiのスリリングさ、野蛮さはありつつも、バンドでは前面に出しにくい、ストリングスやホーンによる、いわゆる楽譜上での作曲も光る作品になっており、ソロ活動の意義がきちんと伝わるものになっています。ただ、これを糧にしていずれはblack midiの再活動を期待しておきたい。


『MAHASHMASHANA』/ FATHER JOHN MISTY

 何年か前のフジロックに出ていて名前だけは知っていたんですけど、この新譜から初めて聴いてビックリするほど感動してしまいました。ビッグバンド、フルオーケストラで、これだけあけすけにド派手で壮大な雰囲気を作り出しておきながら、しっかりとメロディの良さを立たせるんですから、ソングライティングのセンスがとんでもないんだと思います。フジの野外も映えるけど、大きなホールで聴いても泣いちゃいそう。


『Cascade』/ FLOATING POINTS

 基本聴いているものに順位付けはしていませんが、ぶっちゃけこのアルバムが今年ダントツ1位でした。フジロックの出演から期待していたフロポの新譜でしたが、本当に期待以上。4つ打ちのダンス・ミュージックで新しい要素は少ないはずなのに、ここ数年で一番肉体が反応する快楽があります。細かいシークエンスのメロディも素晴らしいし、短い曲が主流の昨今では珍しく、たっぷりした曲時間でトリップ出来るのも良い。とにかく良い! ダンス・ミュージック好きはとにかく聴いて損はないです。

 

 

 

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