母校で親友と語り合ってきた
女性の人生は、男性のそれよりバラエティに富んでいる。
家族構成、働き方、年齢との向き合い方。
変化に伴い、疎遠になる女友達も多い。以前、友人に赤ちゃんが産まれたのでお祝いをしたのだけれど、もう一人の友人がすでに既婚子持ちだったため、話題が終始子どもの話になり全くついていけなかった。「モンテッソーリ?…聞いたことあるな」くらい。
正直全然楽しくなくて、それ以来、その友人たちとは会っていない。
友人が専業主婦や子持ちになるとまず会えなくなる。平日昼などを指定される。どう考えても無理。仕事を休めと?となる。
あるいは、土日を提案すると「旦那に聞かないと」となり話が立ち消えになる。
ステージが違う女性同士の間には大きな壁・深い溝があると言うべきか。
今回会った親友との関係でいえば、彼女はワーキングママ、私はバツ2の子なしなので、壁が存在するはずなのに、全くない。
もちろん物理的な隔たりはあるのだけど、精神面に限っていえば全くない。
親友のRちゃんはのんびりとした田舎に住んでいるからか、バリバリ働く母親が周囲にあまりいないそう。
女性が働くとなると福祉、医療、公務員といった選択肢で、15時までの時短勤務で子どものお迎えは母親の役割。彼女の職場は女性の割合が多く、かつほとんどが既婚子持ち。子育てをしながら時短勤務の女性が多く、それでも売り上げを伸ばしている優良企業で羨ましい。
そういう地域では、父親が夜遅くまで働いて家計を為し、住宅や車を買うというモデルケース。
私は大阪のほぼ中心地に務めていることと、出版社という業態・編集という職種もあって全く違う。性別関係なく社員は残業ありきで戦力として捉えているので、時短勤務の人を雇い入れる余裕などない。女性の管理職を増やしたいという会社の意向もある。職場にも既婚の女性はもちろんいるが、DINKSが多い。
そんなRちゃんと私で、9月のとある日曜、母校のキャンパスへ遊びに行った。私たちが26年前に出会った場所。
ふたりで記憶を辿りながら校内をウロウロして、近所の喫茶店でランチを食べ、グラウンドでお茶をしながらおしゃべりした。大学って本当に開けた場所で、勝手に入っても全く問題ないことに驚いた。
Rちゃんと私は生活環境もリズムも全く違うけど、話をするのがめちゃくちゃ楽しい。それは彼女の人生や仕事、家庭との向き合い方に起因している。
精神的にすごく自立しているのだ。
旦那の悪口を言うわけでもないし、家庭の話はあまりしない。子どもの話も一般的な母親に比べると少ないと思う。
「旦那さん元気?」と尋ねると、「うん、最近昇進しちゃってさぁ」とポツリ話すくらい。
息子にいたっては「どんだけ立派に育てて社会に通用するような人間にできるか、親の役割なんてそんなもん」と言うし。
仕事での上昇志向や探求心もすごい。負けず嫌いでENFJ(主人公)タイプ。
だから私の仕事の話もグイグイ聞いてくれる。
「周りは時短のワーママが多いから、ろっかちゃん貴重な存在やし話してて楽しいわー」と言ってくれる。
大学時代は毎日会って、数えきれないほどたくさんの話をした。
夢、希望、不満、辛苦、ゼミの勉強、恋愛、家庭の事情、バイト。いま思うと、よーそんなに話すことあるなぁってなるよね。それくらい日々に変化があったっていうことなんだろうな。
普段はそんなに連絡を取り合わないけど、会えば一瞬にしてふたりの空気感になる。お互いの長所短所も知っているし、「こういう風に言ってくれるだろうな」も「そういう見方もあるのね!」もどっちもある。誰と会うときもファーストコンタクトは緊張してぎこちなくなってしまう私に、昔と同じ温度感で話しかけてくれるRちゃんの屈託のない性格のおかげ。本当にありがたい。
ふたりで「初心に帰るっていうか、若いころを思い出して元気出たー!」と言い合って、駅でバイバイ。
昔はバチバチに意見を交換していた私たち。
お互い頑張ろうなー
ぼちぼちでええんよ
会ったあとのこんなやりとりがいまのわたしたち。