アフターコロナ意識調査~新型コロナウイルス感染拡大後と収束後の未来についての意識調査結果報告Part-3:世界情勢の変化についてと全体まとめ
この度、アフターコロナ意識調査と言うことで、「新型コロナウイルス感染拡大後と収束後の未来の自分自身、日本の社会、世界情勢の変化」についての意識調査を行い、190名の方からアンケートにご協力いただけました。その結果報告の第3弾として、世界情勢に対する変化意識についての結果です。
回答者属性
前記事、前々記事の繰り返しになりますが、有効回答者数190の属性内訳です。アンケートの選択肢には「性別は答えたくない、その他」もありましたが、有効回答者にはこの選択肢を選んだ人はいませんでした。
集計結果(全体)
新型コロナウイルス終息後の世界秩序や勢力図、情勢などは変化すると思いますか。
この設問への回答結果は上図の通りで、「大きく変化すると思う」と「少し変化すると思う」を足すと69%となります。前々回の記事で紹介した「自分自身の変化」は、63%、「日本の社会の変化」は88%でしたので、世界情勢については、日本の変化よりは変化すると思っている人が19ポイント少ないですが、自分自身よりは変化すると思う人が6ポイント多いという結果になりました。
集計結果(年代別)
年代別に見ると上図の通りで、大きく変化すると一番思っているのは「日本の社会の変化」と同様に20歳未満のティーンエージャーであることが分かります。「大きく変化すると思う」「少し変化すると思う」の合計が大きいのも日本の変化と同じく50代です。一方40代は目立って変化予測をする人が少ないです。
集計結果:性別
性別に関する差は、やや男性の方が変化を大きくとらえているものの、年代ほどの差は見えませんでした。
大きく変化すると思うとした人の理由
「大きく変化すると思う」とした人の理由を見てみましょう。
圧倒的に多いのが中国について触れた意見です。中国一強になるという予測と、中国が弱体化したり、諸外国からの批判が強くなるという予測に二分されるほか、アメリカとの対立が深まるという意見もあるほか、アメリカの権威がなくなるという意見も見られます。また、個人的にも中国に対して「許せない」「反省を求める」「信じられない」というような意見も見られます。
少し変化すると思うという人の理由
少し変化すると思うと答えた人の理由は以下です。
同じく中国に触れた意見が多いです。中国が台頭するという意見、衰退するという意見が両方見られます。アメリカについては影響力が下がるという意見がみられます。また、各国が自国優先主義、内向き志向、ナショナリズムが高まるという意見や、各国の往来が減るという意見もあります。
あまり変化しないと思う人の理由
一方で、あまり変化しないと思う人の意見です。
元に戻るだけ、どこも痛手を負っているので変化はない、アメリカと中国は強いまま、これ以上悪くなりようがないというような意見が目立ちます。一方で、「興味がないから」「わからないから」というような意見もちらほら見られ、日本人自身が内向き志向になっているようにも感じられます。
全く変化しないと思うという人の理由
最後に、まったく変化しないと思う人の理由です。
回答者が少なくてまとめにくいですが、70歳以上の男性の方は、日本以外は変化するとあるので、どちらかというと「少し変化する」という意見とも取れます。そうすると、回答があった方では3名が「全く変化しない」ということで、理由がはっきりしない30代男性、変化すること自体が全く考えられない様子の40代男性、病気によって世界情勢が変わると思わないという意見の60代女性ということです。少ないとはいうものの、一部の人はこのような感覚を持っているということも注目したいです。
自分自身の変化、日本の社会の変化、国際情勢の変化の3つを比較
最後に、自分自身について、日本の社会について、国際情勢についての3つの意見を比較してみましょう。
変化の比較では、日本が変化すると考える人が最も多く、次いで世界情勢、そして自分、という順番ですので、自分は世の中に反して変化しないと考える人が多いとすると、もしかすると日本の個々人が時代の変化の中でも変わらないという事態も起こるかもしれません。
また、日本の変化は世界の変化、特に各人が意見で上げたアメリカは日本の最重要ともいえる同盟国、中国は隣国であり、世界の大国であるため、それらの国の情勢を非常に色濃く受けると考えると、世界情勢の変化にも無関心ではいられないはずです。そういう意味では、日本の変化を予測する人に比して大きく世界情勢の変化を予測している人が少ないことはやや憂慮すべきかもしれません。
次回は、Social Listening(SNSの書き込み分析)をお届けします。