リスクを0にするのではなく向き合い、考え、改善していく。「ブラック校則をなくそう!」名古屋大学准教授・内田良さん
「ブラック校則をなくそう!」著者、教員の働き方改革で知られる名古屋大学教育社会学准教授・内田良さんのお話を伺いました。
内田さんはもともと子どもの事故がご専門。
学校管理下の生徒の死亡事故のデータを分類したところ、中1または高1の5月から8月に柔道の大外刈りで大多数の生徒が亡くなっていたことが分かった。それがきっかけで、学校の
・部活動
・校則
・いじめ
・組体操
・二分の一成人式
などのリスクに、数字で光をあて客観的にし、改善していくエンパワーメントを行っています。
部活は教育課程ではない、教員養成課程に部活はない。部活動顧問のほとんどが素人で、強制加入の学校もある。
制度設計ないまま部活動が活性化し事故が起き続けている。
リスクをなくすのではなく向き合えばいい。例えば柔道は、事故が多い5〜8月の指導を丁寧にすれば事故が避けられる可能性が上がる。
教育という病。
「学校で起こったことは、学校で解決する」「警察の力を借りるのは、学校の教師の負けを意味する」
校則に従うだけ、理不尽さや痛みを耐えることが教育ではない。自分で考えることが教育、という言葉に、会場の皆さん深くうなずいていました。
リスクがあるものを全廃するのではなく、リスクに向き合い、改善し持続可能なものにすることが大事。全廃は思考停止、楽だけど危ない。
コロナをふくめ普段の自分のあり方を考えて、ドキッとしました。
内田さんはふるまいや言葉にやさしさがあふれていました。学校が変わっていけそう、いや、私たち大人が変えていくのだという思いが、お話を聞いた一人ひとりにふつふつとわいてきたのを、感じました。