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イベントをやり続ける理由。イベント関係者たちの声。

先日、「なぜイベントをやり続けるのか 」というテーマのトークセッションに呼ばれました。

このコロナ禍で、イベントの実施が容易ではない中で、それでもイベントをやり続ける原動力は何か、という話です。

イベント支援サービスのPeatixが主催なこともあり、イベントをやり続ける前提のようなテーマ設定ですが、僕個人としてはイベントを辞めることや、イベント以外の選択肢を取ることも否定的に捉えていません。

なぜなら、イベントをやる動機は人様々だからです。

ただ、楽しいからやる人。

ビジネスとしてやる人。

PRやプロモーションの一手段として選択する人。

何かの課題意識を持ってやる人。

それぞれの狙いや想いがあってイベントをやっている訳で、その目的が達成できないのにやる必要はないし、もっといい手段があればそちらを選ぶべきです。

それもあって、色んな人の意見を聞きたいと思い、イベント直前にアンケートフォームをつくってSNSに投稿したら、有り難いことに沢山の回答をいただきました。

全てという訳にはいきませんが、公開OKに同意頂いた方の中から、一部を抜粋して紹介したいと思います。


イベントをやり続ける理由

コロナだからやる/やらないではなく、いつでも「今、何をやりたいか」で判断していきたい。外部的要因でイベントの価値が変わるのではなく、オンラインでもオフライン問わず、人が集まることの根源的な喜びは何かを考え場をつくるのが価値だと思いました。
僕らは、阿波踊りというお祭りをコンテンツにしています。この数年は配信ライブ、配信と有観客のハイブリッド、そして知り合いのアーティストを集めたフェス型のイベントなど、とにかく思い付くものを全部挑戦してみました。(寶船・わたる)

プロの阿波踊りチームの寶船。いつも新しいことに挑戦するチームは、環境に流されない軸を持っているんだなと思いました。


形を変えればいいし、変えること自体を楽しめるから(サトウダイスケ)

ドライブインフェスでご一緒した森の映画祭のサトウくん。クリエイターらしい、シンプルで、僕もとても共感する考え方です。


イベント主催やDJ・音楽が好きだから。自分や仲間達のエンターテインメントなどのCLUBや音楽業界の活動の場を無くさない為。
形態:オンラインDJ配信、CLUBイベント、野外イベント(キャンプや焚火会を含む)(ヒーボー)

群馬でDJやイベントを主催するヒーボーくん。一番最初に書いてある「好きだから」というのは、大きな理由になると思います。


当初はオンラインメインで開催してきたものの2021くらいからはリアルでやれる方法を模索しながら実験的にいくつかやってきました。まずは前提として今こそ必要と思ったから、その次に思いついてしまったから、やらない理由はいくらでもあったけど、それ以上に心臓に突き刺さった杭(原体験)は抜けなくて。とはいえ個人の欲求で誰かの安心が危ぶまれることは良くないから、極めて慎重に少人数でかつそれが意味を持つように深く、じっくりと、この時代だからこそのプレミアムな体験づくりができたんじゃないかと思います。(あめみや)

サイレントフェスなどを主催するあめみやくん。以前、彼と対談したときにイベントをやり続ける人は「知ってしまった人」という話になりました。イベントの楽しさや、イベントだから生まれる熱狂、表現、体験を知ってしまった。それが心臓に突き刺さった杭なんだろうと思います。


イベントというフィールドでこれからもずっと生きていこうと考えている為、一時的に減らしたり、形を変えたりすることはあったとしても、根本的に止めるという選択肢には至らないから。(気持ち的にも、経済的にも。)(DJ SHIN)

イベントで生きてきたから、これからもイベントで生きていくという考え。DJ SHINさんはDJのオンラインコミュニティ「with DJ」など、新しい活動も始めています。


1つは仕事としてやらないといけないという義務であり責任感があるから。他方では、「人が集まる場から生まれる偶発的な副産物」を、イベントを通して生まれるということを信じているから。(RS)

頂いたコメントの中でも、「仕事だから」「顧客のため」という言葉もありました。その中でも、自分たちのやるイベントの価値を認識し続けることは大切だなと思います。


リアルイベント・オンラインイベント両軸で、変わることなく続けています。イベントで共有できる熱気が世の中に必要だと思うこと、イベントで表現したいことがあること、イベントを楽しみにしてくれているお客さんがいることで、続けていると思います。
ただ、根本を突き詰めると祭バカだからだと思います!!!笑(きだ)

東京ミステリーサーカスのきださん。同じ体験ジャンキーとして、非常に共感できるコメントをもらったのですが、最後の一行に杭が刺さってるなと思いました。


軸として取り組み続けているインラインスケートの普及、振興、選手育成のため。参加人数や開催場所、運営方法で感染リスクを低くなるように、継続している。(小林賢太郎)

スポーツの普及や振興にはリアルの場は必須ですよね。そもそも、オンラインや別の手段ではなかなか代替が難しいこともあります。


誰かがしないと生まれ育った街のイベントが無くなるかもしれないと言う不安がある中で、それなら自分が率先して開催しよう!と言う熱量が消えないからです。
また、イベントを開催した後に来てくれたお客様から直接頂ける「開催してくれてありがとう」と言う言葉や、後日SNS上で見れる全く知らない方達からの「運営の方々、お疲れ様でした。ありがとうございます」と言う投稿が、またしよう!と言う気持ちにさせてくれます。
どんな形でやっているかと言う質問に対しての回答になるかは分かりませんが、主催者がワクワクしながら企画・準備ができるイベントを心がけています。
そうすると当日は大変ながらも、イキイキとしたスタッフの雰囲気がお客様にも伝わり、イベント全体の雰囲気が良くなると信じています。
コロナ禍で開催するイベントは、来てくれた方が最大限不安がない状態を保てるように、工夫をして開催しております。(shigezoon)

北九州でグランピング施設から野外フェスまで様々な「楽しいが必要だ」を実現しているshigezoonくん。やっぱり、お客さんからの声はとても大事です。ぜひ、主催や関係者には声を届けてください。


オンラインやハイブリッド、無観客など手法は色々ある。
大事なのは工夫で、安全安心なイベントは可能。
その工夫を考えることは新しい醍醐味に感じてきているし、主催、制作、観客全てが感染症対策が当たり前となっている。(Event Woman)

簡単なことではないけど、できないことじゃない。気づかないうちに混同してしまいがちなので、しっかりと持っておきたいですね。


イベントじゃない方法を選択した人

回答の中では、ほとんどがイベントを続けている人でしたが、イベント以外を選択している人の声も1件だけ載せます。

イベントはキッパリ辞めてしまいました。ただ、状況が良くなったらまた再開したいと考えていて、イベントに向けていた熱量をビジネスに切り替えました。 イベント集客はチケットノルマやフライヤー配りだった時代から、SNSでの集客やプロモーションに移り変わっていった中、私はSNS集客が得意だったので、SNSマーケティングを活かして起業しました。今まで出会えなかった人たちや新しい知識を身につけることで、イベントを再開した時に新しい景色が見えるように常に考えています。(みねおか)

すごく素直で、素敵な考え方だなと思いました。イベントは大好きだけど、きっと、みねおかさんの中で「やりたいイベント」は今できないのかなと思います。仮に今、イベントをやらなくても、別の形でスキルやコミュニティを伸ばし、アフターコロナでイベント主催としても成長しているとか、そういうのも格好いいなと思いました。


アフロは?

人のコメントだけ紹介して、自分のことを言わないのもあれですよね。

イベントの時にも出したのですが、ちょっと懐かしい画像を見つけたので、貼ります。

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2013年、Peatix初期、イベントサロンの前身となったEvent Festivalに登壇した時に「あなたにとってイベントとは?」と聞かれて書いた言葉です。

8年前ですが、根幹は変わってないように思います。

自分にとってイベントは、自分のつくりたい体験や世界観があって、それをスピーディーに表現できる場です。まずは「つくること」が楽しい。そして、それを自分一人ではなく、楽しんでくれる人がいて、それを見ると何よりも嬉しい。

「楽しい」から頑張れて、「嬉しい」から続けられる。

自分にとって、この両方が揃っているんだと思います。

要は、僕も心臓の杭が抜けないし、祭バカということです。

色んな形を模索しながら、日々、続けられていることに感謝します。


終わりに

ここに掲載されていないコメントも全て目を通してます。

集まっているコメントを読んでいると、胸が熱くなるし、元気をもらいました。ありがとうございます。

「イベントをやり続ける理由」もしくは「イベントではない方法を選ぶ理由」それは人それぞれだと思います。

選択するときは「自分が何を大事にしているのか」を考えること。そこに尽きるのかなと思いました。

・本当に好きだから

・新しい挑戦をしたいから

・杭が刺さっているから

・ビジネスだから

・そこで生きていくと決めたから

・シーンやベニューを守りたいから

・達成したいことにはイベントが必要だから

・今は満足できるものができないからやらない

全てが立派な理由だと思います。

イベントをやっている人、別の選択肢をとった人、それぞれに何かヒントになれば幸いです。


アフロマンス

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