ヤングアダルト文庫という感性を抉る体験

ティーンエイジャー向けの小説を読むたびに時折ドキリとするくらいの生々しさと透明感があって、そのたびに私は新しい感覚を覚えます。感動というか、心にジンジンと傷を負う感じが歳を取ってもあります。

娯楽向けのライトノベル(悪く言ってるわけでなく大好きです)とかではなくて、本当に児童向けの考えさせられる中高生に向けたメッセージがある小説です。

そこで発表したいのが、あまり知られてなさそうな名著なんですが、

『スピーク』著者ローリーハルツアンダーソンさん

なのですが、凄いんです、この本。ヒロインがティーンがレイプされたあとのハブられてる内容なんですよ。ヒロインがかなりしっかりと怒りを持ってて、ユーモアがあるため暗い内容ではないんですが、とにかく鬼気迫るものもあります。

ヒロインは高校生の少女なのですが、アメリカの学校でハブられている なぜハブられているかというと中学のプロムでレイプされたからなんですよね...。しかも相手は人気もある同級の男子学生で警察も呼んでしまい、パーティを台無しにされた。

ここで大切なのは彼女はこの事件を周りに打ち明けられませんでした。そうするとノリが悪い子としてみなから倦厭されることに...まぁ地獄みたいなセカンドレイプですね。

で、このハブばかりだと当然読後も全く爽やかではないのですが、このヒロインはそんじょそこらのヒロインとは違って、美術における作品においてその怒りという表現を発揮していきます。もちろんこのヒロインは同意なんぞしてないし、ハブられてるわけで内心は超絶激怒してます。それを創作作品として木のオブジェだったかなにぶつけていくんです。そうすると次第に美術講師や周りもこりゃ何かこの子抱えてるな?と気づき出すのと同時に周りに作品という形で提示できたことによって、彼女が動きだすこともできます。

結果的に講師に被害を訴えでて、親友とも仲直りできたというストーリーなんですが、読んでるとまぁものすごく疲れます。ヒロイン自身が強い子なので、そんなにへこたれてないんですが、もちろん生々しい描写に読者が凹みます。男女老若男女問わず是非読んでもらいたい作品ですね。舞台はアメリカですが、日本の学校や職場にも通ずるところもありますので、是非ご一読いただきたいです。

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