W杯アフリカ各国エントリーメンバー予想〜ガーナ〜
FIFAワールドカップカタール2022開催まで約1ヶ月となった。
本ブログではアフリカ勢各国におけるポジション別の選手層をまとめ、エントリーメンバー26名を大胆(?)に予想する。
開幕までに5カ国分、間に合えばよいのだが…
第1回ガーナ
「ビッグサマー」の行く末は…
初回は、2大会ぶり4度目の出場となるガーナを紐解く。
ブラックスターズ(ガーナ代表の愛称)はこの夏、立て続けに新戦力の勧誘に成功した。ラ・リーガ屈指の快速FWイニャキ・ウィリアムズ(ビルバオ=SPA)をはじめ、ヨーロッパのトップリーグで確かな爪痕を残す魅力的なプレイヤー達が代表メンバーに加わったのだ。
オットー・アッド監督が就任してから消化した代表戦は10試合未満ではあるが、前述の「ビッグサマー」以前から招集されている選手の顔ぶれは比較的固定されいる。安心感のある既存戦力と、所属クラブで輝きを放つ新戦力をどの程度の割合で混ぜ合わせるのか・・・アッド監督の選択をポジション毎に予想していく。
GK:戦力に不安も顔ぶれはほぼ確定
9月のインターナショナルウィークには3名のGKが招集された。今回の2試合はメンバー発表前最後の国際親善試合であったことから、怪我等不測の事態が起こらない限りは、この3名がカタールの地で母国ゴールを守るものと考えられる。
ただし、正GKのジョセフ・ウォラコットはイングランド3部のチャールトンで、リチャード・オフォリ(オーランドパイレーツ=RSA)はアフリカ内でプレーしている。また最も若く成長を期待されるマナフ・ヌルディーンはベルギー1部オイペンで控えの立場を抜け出せておらず、他ポジションと比べると戦力の「質」には不安が残ると言わざるを得ない。
CB:確かな実力を備える4名。+αの選出は?
イングランド・プレミアリーグで安定した出場機会を確保するダニエル・アマーティ(レスター=ENG)とモハメド・サリス(サウサンプトン=ENG)、アマーティとコンビを組み長らくガーナの最終ラインを支えてきたアレクサンドル・ジク(ストラスブール=FRA)にスペインで一皮むけた感のあるジョセフ・エイドゥー(セルタ=SPA)が揃う。CBはガーナの中でも非常に充実したポジションだ。
通常4バックをベースとする場合、CBはレギュラーと控えで4名程度の選出となることが予想される。しかし、本大会は従来よりも3名多い26名のプレーヤーを登録することが出来る点、またアッド監督は格上相手の5バックオプションも想定している節がある点から、5人目ないし6人目のCBがカタール行きの切符を手に入れる可能性もある。
前に出る守備に定評のあるステファン・アンブロシウス(カールスルーエ=GER)、前述の4名にやや不足している高さを補えるアブドゥル・ムミン(ラージョ・アジェカーノ=SPA)ら伸びしろのある若手も虎視眈々とメンバー入りを覗う。他ポジションもこなせるユーティリティー性や、4バックと3(5)バックへの適応力も含めて決断する必要があるだろう。
SB:左右で対象的な戦力事情。左SBはR・ババの状態次第か
スピーディな仕掛けに加え、相手陣内深い位置を抉ることの出来るタリク・ランプティ(ブライトン=ENG)、ボランチに左SBもこなせるベテランのデニス・オドイ(クラブ・ブルッヘ=BEL)と強力な新顔が揃った右SBに対して左の陣容が心配だ。
レギュラー候補のアブドゥル・ラーマン・ババ(レディング=ENG)は負傷により本大会出場が微妙な状態だ。よりオフェンシブなギデオン・メンサー(オセール=FRA)が現状ファーストチョイスとなるが、6月のキリンチャレンジカップ日本戦で代表デビューを果たしたアリドゥ・セイドゥ(クレルモン=FRA)が株を上げている。
小柄ながら対人守備に強さを発揮し、最終ライン全てのポジションをこなし3バックにも対応できる。R・ババの故障癖を考慮すると、彼の回復具合によってはセイドゥが優先される可能性は十分にある。
中盤:サメドとシュラップが加われば鬼に金棒
今シーズン所属クラブで唯一無二の価値を創り出すトーマス・パーティー(アーセナル=ENG)とモハメド・クドゥス(アヤックス=NED)を筆頭に、ハイレベルな選手達がしのぎを削るのがアンカーとセンターハーフだ。「ガーナ版カゼミーロ」イドリス・ババ(マジョルカ=SPA)はボール奪取とカバーリングでプレセンスを提供し、初挑戦のブンデスリーガでフライブルクの上位進出に貢献する現代型テクニシャンのダニエル・コフィ・キエレはゲームの流れを変えることが出来る。
アッド体制では彼らにエリシャ・オウス(ヘント=BEL)を加えた5名が代表メンバーの中心となっており、意外にも新しい戦力の上積みが少ない。そこで注目されるのがアブドゥル・サメド(RCランス=FRA)とジェフリー・シュラップ(クリスタル・パレス=ENG)の招集可否だ。
好調のRCランスを支える中盤のフィルターである前者は、、一時は代表招集を拒否したことで監督との亀裂を危惧されていた。しかし「膝の状態が万全出ないため辞退した」と本人が弁明しており、初招集がいきなりW杯の大舞台となる可能性がある。後者はサッカー協会への不信感から長らく招集を拒否をしていると報道されるが、ここ2シーズンのプレーぶりはキャリアで最高の出来だと言っても過言ではない。本人も理想のタイミングでのW杯出場の魅力に、多少の譲歩は考えられる。左サイドの専門家からゴール前への飛び出しに長ける多才なダイナモに変貌した男を、アッドは口説き落とせるか。
ウイング:激戦区のラスト1枠は・・・
確かな実力にリーダーとしての役割も担うアンドレとジョーダンのアイェウ兄弟、唯一無二のドリブルを誇るカマルディーン・スレマナ(レンヌ=FRA)はアクシデントが無い限りは26名のリストに名を連ねるだろう。アフリカネイションズカップ2021では積極的な仕掛けから数少ない収穫となったファタウ・イサーク(スポルティング=POR)がその後に続く。
となるとウイングのに空いている枠は多くて1つ。今シーズン開幕当初から得点を重ね好調を維持していたジョセフ・ペイントシル(ヘンク=BEL)は負傷離脱が長引いており、本大会に間に合うかは不透明だ。アッド体制下ではゴールも記録し重用されている感のあるオスマン・ブカリ(ツルヴェナ・ズヴェズダ=SER)が一歩リードか。
CF:ウィリアムズを筆頭にタイプの異なる3名を選出?
スピードで相手最終ラインをかき乱すウィリアムズを筆頭に、ボックスストライカーの逸材フェリックス・アフェナ・ギャン(クレモネーゼ=ITA)、両者の特徴を足して2で割ったアントニー・セメニョ(ブリストル=ENG)が有力な最前線の候補だ。
ベンジャミン・テッテー(ハル=ENG)は高さとポストプレーという独自のストロングポイントを備えるが、負傷離脱が続いておりやや後塵をきす。サプライズがあるとすれば、クラブではウイングの控えを務める本職CFのランスフォード・ケーニヒスドルファー(ハンブルガーSV=GER)の抜擢か。
エントリーメンバー予想
GK ジョセフ・ウォラコット
GK リチャード・オフォリ
GK マナフ・ヌルディーン
DF ダニエル・アマーティ
DF アレクサンドル・ジク
DF モハメド・サリス
DF ジョセフ・エイドゥー
DF タリク・ランプティ
DF デニス・オドイ
DF ギデオン・メンサー
DF アリドゥ・セイドゥ
MF トーマス・パーティー
MF イドリス・ババ
MF エリシャ・オウス
MF モハメド・クドゥス
MF ダニエル・コフィ・キエレ
MF サリス・アブドゥル・サメド ★サプライズ
MF ジェフリー・シュラップ ★サプライズ
FW アンドレ・アイェウ
FW アブドゥル・ファタウ・イサーク
FW ジョーダン・アイェウ
FW カマルディーン・スレマナ
FW オスマン・ブカリ
FW イニャキ・ウィリアムズ
FW フェリックス・アフェナ・ギャン
FW アントニー・セメニョ
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