268.適応障害
"適応障害"は私が診断された病名。
「興味の喪失、食思不振、不眠、不安・焦燥感、気力の減退、集中力の減退等の症状は持続しており、(中略)休業および療養を要する」
と診断書に書いてあった。
この病気は真面目な人がなりやすいらしい。
私は根が不真面目なのでこんな病気とは無縁なはずだけど、仕事では真面目になってしまったのだろう。
あとは、彼と4月から離れてしまったことで、ストレスの発散がうまくできなかったのかもしれない。
医師にかかる前、頭の整理のために今までのことを時系列で纏めたり、自分の感情をWordに綴っていったらあっという間に6,000字を超えた。それだけ言いたい事や思う事があったのに、私は職場の同僚に愚痴を言うことはほとんどなかった。
業務量が多くて困っていることを上司に訴えると、
「他の課員にも協力してもらって」「もし必要なら私も言うから」と、そう言われるだけだった。
上司は"協力しない"とは決して言ってないけど、私は人に仕事を振れないから困っていた。自分の仕事を他に振れる人ならこんな風に悩むこともない。
上司に相談しても解決しないから、「私ができる限りやるしかない」という結論に至って頑張りすぎてしまった。
業務時間中は昼休憩も取らずにパソコンの前にいたし、帰りの電車も仕事をした。休日も上司に申告しないで勝手に仕事をした。
パソコンにログインするとログが残ってしまうが、勤務管理申請では、「パソコンの電源を入れたままにしていたため(勤務時間ではない)」という申請が横行していた。
上司はそれについて私に注意することもなく黙認していたのか、本当に土日夜間もパソコンの電源入れたままにしていたと信じていたのか。
ただ時間外勤務自体はそれほど負担ではなかった。
私が辛かったのは、四六時中電話やメールやチャットが来て対応に追われ、その日やろうと思った事が何もできずに1日が終わること。じっくり考える時間がなかったこと。あとは休暇中もお構いなしで電話が来るので、せっかくの休みも心が全く休まらなかった事。
8月末の山を越えれば少し楽になると思ったのに、全然楽にならなかった。それどころか、今まで先延ばしにしていた仕事が丸ごと時間的猶予もなく降りかかってくるだけだった。
やっぱり9月も休めそうにない、10月も、そのあとも。
先週の水曜日は久しぶりに在宅勤務をしたので、彼が業務の隙間に何度もteamsで連絡してきた。
いつもなら彼からのコールはすごく嬉しいのに、せっかく話していても仕事のことが気になって楽しめなかった。
電話で9月中に日帰りで会おうと日取りも決めたら、そのあとに「楽しみですね」「早く会いたいなぁ」とメールが来てなぜか気持ちが沈んだ。
本当に休みを取って会えるのか?業務はなんとか調整したとしても、彼と一緒にいる時も電話やチャットが来るだろうし、仕事のことが気になって心から楽しめない自分の姿しか浮かばなかった。
その日の夜、ふと夫に苦しい気持ちを打ち明けたら涙が止まらなくなった。
夫は私の様子が数ヶ月前からおかしいことに気づいてたから、「もう限界だから仕事に行ってはダメ」と諭された。
でも夫の言葉をなかなか受け入れられなかった。
私が今休んだらどれだけ周囲に迷惑がかかってしまうか。まずは職場のメンバーが私の仕事をオントップでこなさなければいけない状況を憂慮したけど…
彼と会う約束したのも行けなくなってしまうことに絶望した。
でも、彼に会えなくなること以上にこの苦しみから解放されたい気持ちが上回った。翌日上司に「しばらく仕事を休みたい」と電話で告げた。引き継ぎもなくいきなり消えるなんてやってはいけないことだけど、強行手段に出ない限り私の状況は変わりそうになかった。
そして、今日メンタルクリニックを受診して「適応障害」と診断された。「適応障害」はストレス原因から離れれば自然に良くなる。実際、仕事を休んでから食欲も戻ったし、心の症状も改善されている。うつ病だと休職してもそう簡単には良くならないようなので、酷いうつになる前に仕事を全部投げ出して良かったんだと思う。
私は当面は療養中の身であるから遠出はできないものの、体の具合が悪いわけではないので出かけることはできる。彼が9月中に私の家の近くまで会いに来てくれるという。片道5時間半、会える時間は多くて6時間。それでも会いに行こうとしてくれている。ただ彼の仕事もトラブル続きでどうなるか?で、今は本当に会えるかはわからない。
とりあえず9月末までは仕事を休むことになった。
あんなに切望していた休みを手に入れたのに、やる事がなくて本当に暇である。
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