マリとわたし
日本で「マリで暮らしたことがある」というと、それがどこなのかわかる人は少ない。
なので「西アフリカの」と枕をつけるのだが、それでもピンとくる人は多くない。
私自身、2002年にマリとの関わりを持つまで、それがどこにあるのかよく知らなかった。
マリの国境線が、あんな風に不自然に直線で引かれていることも。
その理由も。
広さは日本の3倍以上あることも。
なのに人口は東京都と同じくらいだということも。
好きなブラックミュージックの本当のルーツであることも。
日本でイメージする「アフリカ」とは結構違うことも。
アジアと共通する部分があることも。
2023年現在でも「マリ」でググってもあまり情報がない。
日本女性の名前にもある単語だから、どこぞの「マリさん」の情報が出て来たりする。
ハッシュタグをつけるとき、自動的に選択肢に上がってくることもまずない。
マリの情報をネットにあげる人が少ないのと同時に、それを求める人も少ないのだと思う。
私はマリ(*) が好きだが、特に
のようなことを思っているわけでもなく。
なぜなら、それほどマリのことを知っているわけでもない気がするから。
それに、自分が好きならそれで十分、と思ってしまったりもする。
でもまあ、あえていうなら、“推し”の国なんだろうと思う。
マリのどこが好きなのか、どこを“推し”ているのか、自分でもよくわからない。
思いつくままにここに書いていくことによって、それが見えてくるかもしれないと思っている。
マリを知ってから20年が経つ。
そして最後にマリに行ってからもう10年が過ぎてしまった。
とんでもない月日である。
20年近く前にたった一年暮らした街が、街の空気が、人々の姿が、日々の暮らしが、忘れようにも忘れられない。
私にとってマリはそういうところだ。
ミネコ
(*) 私が「マリ」というとき、それはほぼバマコ を意味していると思う。
他の地域を知らないので。